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秘訣

 私は本の原稿を書き始めると十時間以上没頭できます。その間中、ワープロに打ち込み続けます。殆ど考えることはありません。ただ、沸き起こる言葉を打ち込みます。だから、1冊の本の最初の原稿は3日で書き終わります。ただし、そこから長い推敲期間がありますが、最初の原稿は一気です。一気にやれば文章のテーストが統一されます。

 本日のオンラインゼミでは、私の執筆方法を聞かれました。それに対しては、仕事のやり方に関して応えました。色々ありますが、ようは仕事をためず、仕事が入れば直ぐ終わらせる。だから、いつでも集中できます。

 でも、晩酌後に言い残したことがあるなと気づきました。おもにオンラインゼミ生に伝えます。

 私は学術論文に関して多作です。平均的な教育研究者の40倍は書きました。でも、簡単です。論文の書き方を分かっている人間にとっては。各学会で通りやすい論文は何かを理解し、定型的な書き方を守れば業績は上げられます。残念ながら日本の教育系の学会で重視されるのは、そのオリジナリティの高さではなく、傷がないことです。傷がないと、通ります。ようは、傷のない論文を書いて、最後の最後に本当に言いたいことを忍ばせればいいのです。

 という手法で学術論文を書きまくりました。あまりに書いたので、同級生からは、どの学会誌を見てもお前の論文が載っていると言われました。

 学会企画での全集の一部を担当することになりました。学術論文とは違いますが、基本的に事実を積み上げて書くのですから学術論文と同じです。

 今から30年弱前に、私の尊敬し仲のいい仲間が教師用図書を出版しました。素敵でした。自らの研究を学校現場に還元するなんていいなと思いました。その頃になると、学術研究は学校現場に何も影響力を持たない、学者のマスターベーションであることに気づきました。みなさん、研究者教員の学術研究の成果が、日本全国の学校現場に影響を与え続ける事例、一つでもありますか?もちろん、学校現場に影響を与える書籍を書いた大学教師はいます。でも、ほぼ100%現場出身の教師で、学術研究の業績のない人です。

 だから、学術研究者の仲間が学校現場に打って出たことに尊敬をし、羨望をもちました。

 そこで、何度も記事を依頼されたM社のH編集長に相談しました。結果は、けんもほろろです。曰く、「売れなくて、在庫がたまるとこまるのです。」。ま、そうでしょうね。若造の大学教師が何言ってんだと思われたのでしょう。結局、私のボスの戸北先生の紹介で東洋館で、「なぜ、理科は難しいと言われるか」を出版しました。幸い売れました。心の中で「ざまおみろ」と思いました。その後に、コンスタントに出版し続けました。

 本題に戻ります。さて、一般向けの本を書き始めて困りました。学術論文には、目的、方法、結果、結論、議論という書式があります。ところが教師用図書にはそれがない。悩みました。

 あるとき気づきました。私はゼミ生や講義の学生に対して語っています。それを文字化すればいいのです。私は若い人に語りたいことが山ほどある。だから、それを打ち込めば何十時間も打ち込めます。

 今、新しい本の原稿を書いています。好きなコンテンツを楽しみながらですので制限しましたが、やっぱり集中してしまうのです。目の前には教え子が見えて、色々言っている自分になります。

 つまり、集中できるのは、語りたいことが頭の中でパンパかパンにあるということです。