大学院の指導教官である小林先生に、新刊書(https://amzn.to/4t5VuSt )を謹呈しました。おそらく、初めてだと思います。なんか、せめて一回は謹呈したいと思ったので、送りました。新刊書には小林先生から教えてもらったことがちりばめられていますし。
研究者になりたいと申し出て、博士課程で教えた人に言うことです。研究者で成功するに一番の能力は何だと思いますか?
ガウスやラマヌジャンレベルの規格外の大天才以外は、師を選ぶ能力だと思います。導かれる意味もありますが、力のある人にとっても潰されない意味でも重要です。その意味で私は大成功しました。私はガンガンとやるタイプです。あまり細かいコントロールはされたくないです。でも、客観的に見守ってくれる人、必要に応じて方向性を示してくれる人は必要です。それに関して、小林先生は最高の先生でした。先生とのゼミは最高に楽しみです。否定されることはありません。ニコニコと聞いてくれて、肯定してくれる。しかし、時に、大きな方向性を示し、判断を任せられました。
筑波大学の教育修士は、1年生の2学期の終わりに指導教官を選びます。私は小林先生にご指導いただきたいと決めていました。しかし、何度頼んでも断られました。そりゃそうでしょう。私は規格外でした。後輩からは「西川さんは砂漠に洪水を起こす人」と思われていました。小林先生は地学教育の専門家です。しかし、私は地学教育に全く興味がありません。
小林先生の著書謹呈の御礼の手紙が来ました。御年96歳で、昔に比べると文字が乱れていますが、小林先生の文字です。そこに私が小林先生に指導教官になって欲しいと言ったときのことを鮮明に覚えていると書かれていました。
小林先生は「私はあなたを指導する能力はない」と断ったそうです。それに対して私は「僕は先生が好きです」と言ったそうです。そう言った40年以上前の私を褒めてあげたい。「好き」には理由はありません。おかげで小林先生の研究室に滑り込めました。
人間の判断はギリギリまで理屈で考え、でも、最後は感情で決めるべきだと思います。
私が高校生の時、NHKの特番でノーベル賞受賞者たちの対談がありました。そのなかである受賞者が「直感とは過程を追跡できない論理の過程」と言ったのです。すなわち、直感であっても、その裏では膨大な論理の積み上げがある。しかし、それを言語化できないだけのことであって、いい加減なものではないと言うことです。半世紀前のことですが、ハッキリと覚えています。
大事なのは二つ。判断する前に情報収集し、考えること。そして、最終的にはそこまで考えた末の直感を信じ、それを正解にするための積み上げをすること。