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失敗原因

 最近紹介した40年前の私の研究では、経済・産業界は戦後初期の段階では、義務教育段階での理科教育振興が日本の発展に必要だと考えていたことを示しました。しかし、同時に、義務教育段階の理科教育は重要ではなく、理系の高等教育の充実を求めるようになったことを示しました。

では、今はどうかと言えば、経済・産業界は日本の教育に期待していません。アクティブ・ラーニングの失速によってそれは決定的になりました。それが証拠に、次期学習指導要領改訂に向けての経済・産業界からのアクションはありません。その結果として、次期学習指導要領は文部科学省のお手盛りになり、新鮮味のない言葉遊びになっています。それ故に、次期学習指導要領に向けての教師向け本のフィーバーが全くないのです。

 では、何故、アクティブ・ラーニングは失速したのでしょうか?文部科学省が原因ではありません。そもそも文部科学省は改善は出来ても、改革は出来ません。ドラッカーの言うとおり、市場占有者は改革は出来ないし、してはいけません。市場占有者は、現在の市場の多くを占めるユーザーの期待に応えなければならず、それらのユーザーの求めているのは改革ではなく、改善だからです。

 では、何故、アクティブ・ラーニングは失速したのでしょうか?

 理由は経済産業省が文部科学省に期待するという愚策をしたからです。

 では、経済産業省がすべきだったことは何か?それは文部科学省が所掌している高等教育を変えるのではなく、経済産業省が所掌している経済・産業界を動かせば良かったのです。具体的には、学歴による採用ではなく、欧米のような資格と実務経験によって採用すべきなのです。

 もう少し、正確に言いましょう。

 研究を担当する人を採用する場合は、今まで通りの学歴による採用で良いともいます。何故なら、多くの大学のカリキュラムは研究者養成に対応するものなのです。現在の問題は、偏差値60以下の大学がそれをしている点なのです。

 また、総合職の中でも特に選りすぐりの人の採用も上記に準じます。ただし、採用問題はグーグルやアイビーリーグのテストと同じで、答えがない問題で、その人の地頭を評価するものです。おそらく、偏差値65以上の大学の1割程度の人がそれに当たるでしょう。受験勉強によって合格したのではなく、受験勉強をしなくても入れるような人です。

 しかし、それ以外の人、それは大卒、高卒に係わらず、資格と実務経験を明確に指定し、学歴は問わない採用基準とするのです。

 全ての企業が右にならえする必要はありません。トヨタレベルの企業が採用枠の半数程度をそのようにすれば良いだけです。その他の企業もやがてそうなります。終身雇用や年功序列のような日本独自の雇用環境と同じく、60年以上好景気が続いた日本の特殊な慣習ですから。

 こうすれば、多くの大学は存在価値を失い、必死になって非アカデミズム化するでしょう。そうなれば、大学入試においても資格や実務経験を求める大学が生まれるでしょう。その結果として18歳で大学に入るという東アジア独特の変な習慣(多くの日本人が知らないでしょうが、諸外国では実務経験をした人が入学するのです。平均の入学年齢が25歳の国もあります)がなくなります。

 こうすれば良かったのに・・・・・