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誤解

 現在の教育の問題点は何だと思いますか?

 文部科学省は馬鹿の一つ覚えのような少人数教育によって乗り越えようとしています。噴飯物です。団塊の世代では、机を並べると通路がなくなるような人数で教育し、その人たちが日本の発展を支えていたのです。文部科学省が真剣に考えるべきは、何故、団塊の世代で成功したのに、今は失敗しているかです。

 実践界の人たちは、教え方だと思っています。本屋に並ぶ実践本を見てください。みんな「教え方」です。ちなみに、『学び合い』も多くの人にとっては「教え方」の一つだと考えられていますが、違います。もちろん、多くの人たちに手に取ってもらうために「教え方」の面を強調しますが、本当の狙いは違います。

 現在の教育の問題点の本体は、一律の教育内容なのです。工業化社会においては、金太郎飴のような人材でも生き残れました。雇用する側も、使い勝手がよかった。ところが、中進国が工業化社会に突入することによって、日本が工業化社会では価格競争で勝てなくなります。そうなると、一律の教育内容ではなく、個別最適化した学習内容に脱皮すべきなのです。

 ところが、それができないので、大卒の3割程度は非正規雇用になり。正規採用されても、5年で3割の人が離職します。その現実を理解したくない、文部科学省と教師は少人数教育や教え方に逃げます。しかし、保護者は身をもって、学校教育は意味のないことを理解し、1条校を見捨てるのです。

通信制の例外規定を活用する広域通信制が拡大する一方、公立通信制高校は二流の普通科高校に成り下がります。これは、これから拡大する公立の学びの多様化校も同じでしょう。だって、現在すでに教師の人の多くは変わりたくなくて、教員養成プログラムがガチガチの金太郎飴なのですから。

今後の社会と教育はどうなるか。

 人口の1%程度は、天才、名人として活躍すべきです。数学の才能のある人は「あり、おり、はべり」を学ぶ必要はありません。将来、国宝の寺院における畳を作れる人は、高校に行く必要性はありません。高校はその成立の経緯から言って、本来、大学の予備校なのですから。

 人口の一割程度の人は、ロングテールの市場で活躍すればいい。ニッチ市場で世界シェアを占めるような人材になるのです。この人たちも、広範囲な知識・技能を必要としていません。

 残る人口の九割程度の人たちは、人と関わりを持って生きるのです。上記の人たちが起業する企業に就職します。また、超ローカル(おおよそ中学校区レベル)な市場において、人的ネットワークを強みにした商売をするのです。この人たちも、広範囲な知識・技能を必要としていません。

 今は、移行時期です。義務教育段階の1条校が崩壊すれば、行政も対応するでしょう。しかし、文部科学省は自らの権益である学習指導要領を捨てられるでしょうか?捨てられなければ、経済産業省の元に人材育成庁を創って非一条校を管轄すればいい。

 では、『学び合い』のスタンスはどうなのか?

 教え方レベルの『学び合い』であっても、少なくとも学び方は多様になります。さらに子どもたちに任せ、その先の生き方レベルの『学び合い』の実践をすれば、最低限の学習指導要領を押さえつつ、各自が学ぶ内容を選択できる余地を生み出します。そして、全ての人に必要な人的ネットワークを獲得し、一割強の人たちに、人的ネットワークの形成、維持、発展するための能力を与えることができます。

 つまり、工業化社会から脱工業化社会へシームレスで移行できるのです。

 だから、何度も書きましたが、『学び合い』実践者の方は非一条校に異動する必要はないのです。一条校でやりたいことをやればいい。そして、一条校が崩壊するとき、そのとき行政は本当の脱工業化社会に対応したパイロット校を設立します。今は、その設立を担うキーパーソンに目をつけられるような情報発信をし続けることです。その人たちは喉から手が出るほど、脱工業化社会の教育を実践することができる人材を探しています。

 残念ながら、公立学校で脱工業化社会の教育ができるところは知りません。しかし、もし、公立学校で脱工業化社会の教育ができる学校が拡大したら、私立の学校は生き残るのは大変ですよ。私立学校の最大の強みであり、弱みであるのは、企業と同じく、トップによって栄枯盛衰がある点です。だから、知り合いには、公立で奉職しつつ流れを見ることを勧めているのです。

追伸 ということを考えている私にとって、今のところ、実践界の情報は全く興味を引きません。