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最終局面え

 『学び合い』は授業づくり手法でもありません、学力向上のテクニックでもありません。一生涯の幸せを保障するための哲学です。ただし、実証的データに基づいた、再現性の極めて高い手法でもあります。

 ただし、補足しますが、一生涯の幸せを保証するのは「自分」です。それを成り立たせるのが「子どもたち」の一生涯の幸せです。人の行動を安定させるのは、自分の利害です。ただし、それを安定させるためには他の人の「利害」なのです。だから、『学び合い』では損得を徹底的に分析し、それを伝えます。だから、今も伝えているのです。

 ダンバー数の示すとおり、ホモサピエンスは多様で多数な人とのつながりは不得意です。しかし、農業社会以降、それがないと生きられない。それを組織的に補おうとするのが『学び合い』です。でもね、年をとって、現役を退職してからはそれは辛いし、メリットはない。一番大事なのは肉親と、あまりどっぷりでない関係です。

 ビートたけしが言っていますが、地元を誇るとき人情を言うのは、結局それしかないのです。地元の人の濃密な関係を美談にするテレビ番組は多いですが、ありゃ、自分の意に沿わなくても付き合わなければならないことと同義ですよ。切れない関係は同居の伴侶と親族(同居以外の親族は除外します)です。それ以外は、極力関わらないことです。

 このあたりを教え子に伝えたくて、「退職後は、もうあわない」と連呼しました。それが『学び合い』の教師の最終局面だと思います。もちろん、現職で学校という自宅以外の場があるならばOKです。でも、退職後は、自分の生活空間は家族の生活空間であるのです。自宅以外で会えばお金もかかります、つまり、家族に対するお金が減るのです。つづけられないことは早めにやめた方がいい。

 もうそろそろ、私の教え子にして同僚の人が退職の年限になります。そうすれば、私のわがままの真意も分かるようになるでしょう。つまり、自分の損得を優先し、それを押し通すことが教え子の利害にプラスになると確信していると言うことです。