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阿部監督の辞任に関して

 阿部監督辞任に関して妻から話を聞いたとき、はじめは町での喧嘩の仲裁で手が出たと思いました。そりゃ、巨人の監督だったらそうなるよな、直ぐに納得しました。しかし、家庭内での出来事だとしばらくして知ったときは、「そこまでやるか?」と思ったのは正直なところです。しかし、巨人だったらそうだろうなと直ぐに理解しました。プロスポーツは人気商売です。選手・監督は芸人です。一般人以上にコンプライアンスが求められる。注目度が高い巨人としては、最大限の懲戒を与えることが身を守る唯一の選択肢です。阿部監督も事件として公開された段階に、辞任以外の選択肢はないことは理解したと思います。

 私が最初に心配したのは、娘さんです。彼女は高校に通学し、卒業できるでしょうか?大学に進学し、通学し、卒業できるでしょうか?就職できるでしょうか?結婚できるでしょうか?

 彼女の行動を非難する人は、一定数います。それ以上に、関わり合いになることの危険性を感じる人はいます。例えば、夫婦喧嘩のたびに警察に駆け込まれる人と結婚したいと思わない人は少なくないと思います。彼女は阿部監督の娘であることから逃れられません。一人の少女がそれを背負い続けるとしたら過酷です。

 阿部監督の場合、今後、公的に名誉を回復する機会はあります。一方、一般人である娘さんにはそれがありません。表だって非難されることはないでしょう。それだから、彼女がそれを修正する機会もないのです。それを心配します。

 上記のような娘さんの将来のことを考えた上で児童相談所は警察沙汰にしたのでしょうか?そうだったら仕方がありません。例えば、日常的な暴力を受けているなら仕方がありません。しかし、今回だけのことで定型的な手続きで警察に通報すれば、警察は定型的に手続きを進めるしかありません。

 私は阿部監督に同情する気持ちにはなりません。しかし、娘さんが心配です。

追伸 私には教育的懲戒か暴力かの違いに関して、明確な線引きがあります。

高校教師だったときのことです。高校に入りたての女子は化粧を初めてします。実に下手くそです。そのような下手くそな化粧をしてきた子に対して「若い君たちは素顔が一番きれいだよ、唇からはみ出して口紅を塗りたくると、場末のホステスみたい見えてしまうよ」と言いました。教室中が爆笑しました。しかし、その瞬間に総身の血の気が引きました。実際寒くなりました。実は教室には母親がホステス勤めをしていることを恥じて、憎んでいる子がいることを思い出したのです。ホステスを例にして笑いをとった私に対してその子がにらんでいるのではないかと恐れたのです。結局、その一時間、その子の方向を見ることができませんでした。(幸い、その子は気にしていないことを後になって知りました。)
もう一つの事例があります。先輩から「遅刻は決して許すな、遅刻は欠席につながる、欠席がたまれば退学になる。だから、最初の遅刻の段階で止めろ」と言われました。ですので、若い私は遅刻する子が教室に入ってくると、頭を出席簿(覚えてられますか?あの堅い長細いやつです)でしっかりと叩きます。あるとき昨晩の酒が残りに残って気持ちが悪くてしょうがありません。ヘロヘロになって座っていると、一人の生徒が遅刻してきました。ヘロヘロの私は「今日はいいから席に座れ」と言って叩きませんでした。

 しばらくすると、「先生、○○(遅刻した子)が怒っている」と言うのです。見ると、「怒っているぞ!」とアピールしてガンを飛ばしまくりです。私が「○○、何怒っているんだよ?」と聞くと、「怒ってね~よ」と明らかに怒っている声で返答するのです。しばらく考えて「もしかして、叩かなかったら怒っているのか?」と聞くと、「そんなことね~よ」と言うのです。そこで「すまないが、叩かせてくれ、お願いだ」と頼むと、「しょーがねーな」と、頭を差し出すのです。そこで、力を込めて出席簿で叩きました。そうしたら○○が満面の笑顔で私を見つめたのです。

 ○○は叩くことが自分のためにやってくれていることを理解していました。だから、叩かないと言うことは自分を見捨てたのではないかと思ったのでしょう。

 ながながと書きましたが、上記のような場面は定時制高校時代何度もありました。その結果、教育的懲戒と暴力の線引きははっきりしています。法的には何をやったか、やらなかったかによって決められます。しかし、学校や家庭において、それ以前に自覚すべきは判断するのは親でも教師でもなく、子どもだと言うことです。ただし閉鎖的な空間では判断がゆがめられてしまいます。子どもがいろいろな人と関わり相談できる状態を確保しなくてはなりません。だから、阿部監督の娘さんがAIに相談したり、児童相談所に相談するのは望ましいことです。学校が健全であれば、娘さんは複数の友人・教師にも相談できたでしょう。だから、児童相談所は警察に通報する前に娘さんに話してそうするか否かを話すべきだったと思います。