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2011-04-14

[]魔法の言葉2 05:51 魔法の言葉2 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 魔法の言葉2 - 西川純のメモ 魔法の言葉2 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 質問を受けたので補足します。「一人も見捨てない」は魔法の言葉だと思います。

 例えばです。『学び合い』では子どもたちに自由に話し合わせます。そうすると多くの先生は馬鹿な話ばかりして勉強の話はしないのではないか?と思います。でも、『学び合い』では殆どそのようなことは起こりません。これは山のような音声・ビデオデータからの事実です。では、何故起こらないかと言えば「一人も見捨てない」からです。

 想像して下さい。職場(部活)での飲み会で、幹事が「今日は職場(部活)の話はやめよう。では、楽しく飲みましょう」と言ったとします。さて、どれだけ長く職場(部活)の仲間と話せるでしょうか?おそらく5分と持たないと思います。

 我々には、たわいもない話題で長々と話せる仲間はいます。でも、それはごく数人です。それ以外の人に対しては、どんな話をすればいいのか迷います。だから初対面の人との会話は天気の話のような当たり障りが無く、そしてつまらない話をします。職場(部活)の人と話し続けるとしたら、職場(部活)の話なのです。職場(部活)の飲み会で、幹事が「今日は職場(部活)の話をするように」と言わなくても、職場(部活)の話をします。

 これは教室も同じです。同じクラスの人の中で、たわいもない話題で長々はなせる人は数人はいます。だから、『学び合い』以外の授業で子どもたちに自由に話し続けさせれば、自ずとそのような人同士が集まり、勉強以外の話で盛り上がります。ところが『学び合い』では「一人も見捨てない」ことをものすごく大事にします。上記のような好きな者同士の話が生じれば、全員が課題達成をするわけありません。それを達成するためには、上記の数人以外の人に教えに行かなければなりません。また、聞きに行かねばなりません。そのような場合、話す話題は勉強の話になります。職場(部活)の人が職場(部活)の話で盛り上がるように、勉強の話で盛り上がるのです。その話題でしたら、みんなが楽しく時間を過ごせます。「勉強の話に集中しなさい」と注意する必要はないのです。

 『学び合い』では「一人も見捨てない」ことを大事にします。それは、子どもにとっても、教師にとっても得だからです。