『学び合い』の奥義は私の書いている本には、ちゃんと書いているのですが、既存の枠組みにいるとわかりにくい。口伝が一番ですが、具体的な場面で説明することも出来ます。
ステーキ店で料理が出るまで静かに待てない子どもに対して、どうすればいいか?という問いがテレビで放送されました。その番組では「ステーキ店で料理が来るまで子どもが楽しく待てる方法」は何かという問いに変換されて放送されました。私は違うだろう、と思ったのです。
私の初任の学校は暴走族およびOB・OG、暴走族にも慣れなかった子ども達の学校です。その子達に物理の授業をしなければならない。もちろん、成り立ちません。しかし、多くの素晴らしい先輩教師の導きによって、半年ぐらいで授業が成立出来るようになりました。
私の授業は笑いあり、涙ありのジェットコースターのような「ざっつえんたーてーめんと」の授業です。今でも、200人以上の授業ではそのテクニックを使い、最後には拍手の中で退場する授業をしています。
でも、それは姑息であることを知っています。そして、子どもを本当に救えないことを知っています。だから、一期一会の子どもには使いますが、ゼミ生は使いません。
声がけ、見とりなど有効なテクニックは山ほどあります。その全てに学術データの裏打ちがあり、数千人の実践者の実践記録の裏打ちがあります。でも、その先があります。
『学び合い』の成否を決めているのは、集団の二割弱の子どもの行動です。その子ども達が頭を使って行動していれば、集団は健全なのです。ようは、その二割弱の子どもを納得させるには何が必要なのかです。その子達に対して声がけ、見取りの有効期限は最長で半年です。まあ、多くの子どもにとっては4週間以内でしょう。考えてみて下さい。教師の皆さんが異動した校長の品定めをするのはどれぐらいですか?あははははは
結局、校長の言っていることを分かる教師は多くはありません。圧倒的大多数の教師は、その場になって、特定の教師に「どうすればいいの?」と聞きます。その教師が「これこれだから、やろう!」と言うか、「そこそこで流せばいいよ」と言うかの違いです。
では、そのキーパーソンを納得させるにはなにが必要か?
それを書いたのが、この5年間で『学び合い』とかアクティブ・ラーニングのタイトルのない本です。我がゼミで、ゼミ生に対して『学び合い』のことを教えません。その程度のことはゼミ生集団で伝えられます。私はゼミ生集団の上に居続けています。そのために、爆走し、結局、ETFの話の本を書くようになりました。
追伸 ステーキ店で料理が待てない子どもに対しては、なぜ、待つべきかを語るべきなのです。それが分からなければ、行く店、行く店で、姑息なテクニックを使わなくてはならない。