■ [大事なこと]好きなもの
本日、複数の高校生と話し合う機会を持ちました。その中で、「総合学習というものをやりましたが、先生は「好きなものを調べなさい」と言うのですが、何をやって良いのか分からず、時間を無駄にしてしまいました」と回想する子どもがいました。「ありがちなパターンだな~」と思わず、大笑いしそうになりました。その先生が省略しているのは、「何のために」という目標です。そして、それに対応する評価です。
もともと「調べたいな~」と強く希望している子なら、「好きなものを調べなさい」で活動するでしょう。でも、世の中に、そんな子どもなんてどれだけいるでしょうか?もちろん、何かを「調べたいな~」と思っていることは誰しもあるでしょう。でも、総合学習の場合、何らかの限定があるはずです。例えば、自然に関する総合学習の場合、自然に関して調べなければなりません。ところが、「何で空が青いのだろう」とか、「地球が丸いのに南半球の人は下に落っこちないのは何故だろう」なんていう疑問を持っている人ってどれほどいるでしょう。さらに、それを意識化している人は殆ど皆無でしょう(例外は理科系の人間の一部ぐらいです)。だから、「好きなものを調べなさい」と言われたって、「そんなの無い」というのが正直な答えではないでしょうか?その結果、動きません。そういう子どもを見た教師は、「やはり子どもは駄目だ」と思うのでしょう。
重要なのは、「何のために」ということを子どもに語り、納得し、共感して貰わなければなりません。それが成り立てば、「好きなもの調べなさい」でOKです。ただし、「好きなもの調べなさい」は方法のレベルに過ぎません。もしかしたら、教師の語る目的を達成する方法として、「好きなもの調べなさい」以上の方法を考えつくかもしれません。いや、考えつくはずです。実は、それが総合学習の本当の醍醐味なのです。