■ [報告]新刊本あれこれ(その2)
今度の本(「座りなさい!をいわない授業」)では新たな試みをしました。それは、我々の考え方での授業を丸ごと載せることにしました。
我々の考えを本で色々と表現しました。でも、今ひとつ伝わらない部分があるように思います。集中講義や講演会の中には、我々の研究室の本を既に読まれた方はいます。そのような方と、じっくりと話す機会を持つと、「先生の書いていることは、そんなことだったんですか~。始めて分かりました。」といわれることは少なくありません。そのため、今回の本では、授業中の教師や子どもの会話をそのまま1時間分載せることにしました。その目的は、まず第一は、我々の考える授業の姿は「ごく普通」であるということです。教師は教えすぎる、と我々が主張すると、「え!?」と思われる人も、授業の様子を見れば、ごく普通であることに気づかれると思います。第二に、ごく普通なのですが、ちょっと見方を変えると、とても不思議なことが起こっていることを示したいと思います。例えば、子どもが教師に質問に来ない様子などが一つです。また、教師がコントロールしている部分が 異常に少ないことが分かります。その不思議なことが、ごく自然に行われていることを示したいと思います。第三に、その一見普通で、でも本当は不思議なことを成り立たせているのは、見逃しがちな一言、いや、その一言を言わせる考えなのだということです。
この試みによって、どれだけ分かって頂けるか。それが、次の課題を明らかにしてくれると思います。