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2007-05-08

[]だから何? 23:02 だから何? - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - だから何? - 西川純のメモ だから何? - 西川純のメモ のブックマークコメント

 昨日のkineさんの実践での『学び合い』をしている子どもの様子に関して感激しているゼミ生と議論しました。その良さを示す表現なのですが、学卒院生さんもオーラのように感じていました。とにかく、子ども達が安心して、楽しんで学んでいることはハッキリ分かったようです。その中で面白い表現がありました。子ども達が球技をやっているとき、「なんでできないんだ」という罵声が一度も起こらなかった、と指摘していました。なるほどと思います。さてさて、その後の話です。

 Fさんと雑談をしました。その中で、ある班が、ある漢字を書けない子ばかりだった状態の時、何をするべきかを議論しました。Fさんは「そういう場合は教えるべきではないか?」と議論します。そこで私は「その漢字が書けないと、だから何?」と言い出します。そうするとFさんは、キョトンとした顔になります。こういう顔って、学卒院生と同じ、純真な顔になります。あははは

 そこで、「その漢字が分からないと人生が変わる?」と聞きます。当然のごとく、そうではないことを認めます。そこで「漢字が書けるかかけないかではなく、人とか分かり合って向上するという次元で考えて。何が問題?」と問いかけます。そして「クラス全員が書けなかった?」と聞くと、そうでないことを認めます。そこで、そんなどうでもいい漢字のことではなく、クラスの中に知っている子がいるのに、何故、その班に伝わらなかったかを考えるべきであると語りました。もし、その班の子ども漢字のことを教えれば、漢字は分かるでしょう(定着のことを考えれば、かなり疑問ですが)。しかし、それによって失うものがあります。教師が教えまくれば、子どもが学び合わなくなります。だって、クラス子どもが分からなかったとき、それを何とかする責任は教師が負っていると思うでしょうから。だから、どうすればいいかといえば、教えないのです。そして、結果として分からない子どもがいたと言うことを「クラス全員」に理解させ、それを厳しく評価すれば良いんです。

 その場その場で教えるのは子どもであって、教師ではありません。その場で教えなければならない場合は二つだけです。それは人権に関わること(即ち心の事故)、もう一つは身体事故に関わることです。これは『学び合い』にいおても、その場で教師が教えなければなりません。それは、トライアンドエラーが許されないからです。しかし、ある漢字の書ける書けないというレベルは、学校教育目的である人格の完成に対して、どうでも良いことです。

 学校教育で学ぶ教科の個々の内容は、一つの例外もなく、どうでも良いことなんです。大事なのは人格の完成です。それを実現するためには教科の個々の内容を学ぶ過程でこそ学べるのです。

[]偽学生の薦め 15:20 偽学生の薦め - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 偽学生の薦め - 西川純のメモ 偽学生の薦め - 西川純のメモ のブックマークコメント

 5月6日に偽学生の薦めを書きました。ご希望があれば、私の方にお問い合わせ下さい。直接、連絡すると向こうがビックリすることを、遅ればせながら気づきました。私の方から連絡すると通りがいいと思います。