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2008-07-24

[]山超える 14:36 山超える - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 山超える - 西川純のメモ 山超える - 西川純のメモ のブックマークコメント

 数ヶ月にわたる実践研究から帰った院生さんたちは、しばらくすると私のところに相談に来ます。たいていは泣き言、愚痴をちりばめながら、どうしようもないと訴えます。しょうがありません。現職経験十年以上の方であったとしても、院生としては初心者なのですから。

 私は小中学校の教師経験はありませんが、一方、大学教師としては二十二年の経験があります。だから、どんなに愚痴られても驚きません。私に時間の余裕があるときは、泣き言、愚痴を黙って承ります。そして、私の時間の余裕がない時は、それを遮って、語ります。毎年、毎年、同じことを聞きます。それは、「で、子どもの姿を見て、何を感じた?」と。それに対して、研究的にまとめようとしてもまとまらなくて悩んでいる院生さんですが、「感じた?」レベルに聞くと、しゃべります。そのしゃべったことが、長々としたものではなく、短く語れたとき、私は「あ、山超えたな」と思います。長々と語るときは、たいていは学術的にしようと思って、つまらんことに拘っているときです(その場合は、「心に響かない」とか「つまらん」とか「ね、恥ずかしくない?」とか、ものすごく冷たく突き放します。)。短く語るときは、「素の教師(教師の卵)」の感性に基づくものであり、それは教育の本質を突くものになっています。

 短く語れたとき、私は「で、なんでそれを感じたの?」と聞きます。そこで具体的な事例を挙げられたら、もう研究の骨子は固まったものです。あとは、それを厳密に記載し、数量的にするための「技術的アドバイス」をすればいいだけです。もし、その事例が明確でない場合は、「人間の直感は正しい。そして、それは具体的な言動に基づいて総合的に判断している。だから、何らかの子どもたちの言動があるはず。絶対にある。それを見いだしなさい。」と言って、膨大な音声記録・映像記録の山の中に戻ることを求めます。最大で1ヶ月以内にそれを見いだされます。あとは、それを数量化できるぐらい、多くの事例を見いだすだけの単純作業となります。

 本日、ある方が「山を越えました」。その方が、ごちゃごちゃ言っても、そうなんです。だって、研究に関しては、一対一ならば圧倒的に私の方が経験豊富です。あはははははは

[]宮城の会 06:47 宮城の会 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 宮城の会 - 西川純のメモ 宮城の会 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 ishinomakiさんのお求めに応えて、第一報を紹介します。11月29日に宮城県仙台で『学び合い』の会をします。詳しくは、右の蘭のブログ群の「十人十色」さんへ。