お問い合わせ  お問い合わせがありましたら、内容を明記し電子メールにてお問い合わせ下さい。メールアドレスは、junとiamjun.comを「@」で繋げて下さい(スパムメール対策です)。もし、送れない場合はhttp://bit.ly/sAj4IIを参照下さい。             

2012-02-07

[]子ども無縁社会 13:33 子ども無縁社会 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 子ども無縁社会 - 西川純のメモ 子ども無縁社会 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 Kさんのブログに刺激され「子ども無縁社会」を注文した。そして読もうとした、が、読めなかった。項目を拾うだけで、動悸は激しくなるし、何が何だか分からなくなってしまう。中にはリアルに特定の子どもの姿が浮かんでしまう。まさに地獄。これに耐えられない弱さがあるから、私は高校教師としては踏ん張れなかった。毎日、一升以上の酒を毎日飲まなければ生きていけなかった。

 この地獄を解決するには、社会を変えねばならないと思う。私の出来ることがあると思う。

[]一人も見捨てない 09:03 一人も見捨てない - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 一人も見捨てない - 西川純のメモ 一人も見捨てない - 西川純のメモ のブックマークコメント

 私は『学び合い』の根幹を「一人も見捨てない」ということに置いています。が、私がゼミ生達には普段は言いません。また、私が直接手ほどきしている学校でも普段は言いません。普段は「全員課題達成せよ」等と言います。「一人も見捨てない」と言うと話が重くなるからです。が、ゼミ生達に最も重要なことを語るときは、それを「一人も見捨てない」ということを根幹にして話します。ま、年に0~数回レベルですが。私の関わる学校でも、それを語るべき時には語っています。

 「全員課題達成せよ」等でも普段は大丈夫でしょう。そして、優れた教師であれば、それを言わなくても大丈夫かも知れません。「非常に問題のある最後の一人が取り残され続いたとき」、「非常に困難な課題を与え、それを納得させるとき」、「自分の愚かさから、手を抜いたために集団がだれ、それを仕切り直すとき」等には「全員達成せよ」レベルの語りでは乗り越えられません。その時は、『学び合い』の考え方をじっくりと語らなければなりません。

 「9割程度の子どもがそこそこOKなら良い」レベルならば、『学び合い』以外でも可能でしょう。でも、その1割がどれほどの地獄の中にいるのかを知っています。そして1割の子どもが見捨てられていることを気にしないようにしていることが自動化している9割の子どもを憂います。そして、そのような子が大人になったときの社会を憂います。本当に十割を目指すならば『学び合い』しかないと、私は思っています。十割できる、とは断言しません。しかし、それを実現するとしたら、『学び合い』しかないと思っているのです。

 もしかしたらスーパー教師ならば、『学び合い』以外でも十割を目指せるのかも知れません。また、優れた教師ならば「一人も見捨てない」ということをことさら言わなくても『学び合い』で十割を目指せるのかも知れません。が、日本には100万人の小中高の教師がいます。それらの人が全てそのレベルに達せるとは思えないのです。なにしろ大村はま先生の教え子だった人(現在は教師です)から「我々は大村先生をばばあと呼んでいました」と直接聞いたことがあります。大村先生ですらそうであるならば、と思います。少なくとも私には無理です。(私の場合は「くそ」じじいでしょう)

 もちろん、「一人も見捨てない」と子どもに語るのは簡単ではありません。「また、うざったい話をするのかよ~」と思われることを危惧する人はいるでしょう。「そんなこと言っても無理」、「そんなこと言えば暗くなる」と思う人がいるかも知れません。しかし、「一人も見捨てない」ということが『学び合い』を成立させ、高める根幹なのです。子ども達が一人も見捨てないから、非常に高度な会話を積み上げ、折り合いを付けた人間関係を築くのです。一人を見捨てる集団は、早晩、二人目を見捨て、三人目を見捨てます。だから、教師は「一人も見捨てない」ということを踏ん張らねばなりません。そのためには「一人も見捨てない」とは「徳」ではなく、「得」であることを確信し、それを理論的にまた、実例を通して語れなければならないのです。

 これは100万人の教師が語ることが出来るべきだと私は思います。が、それが無理だということも分かっています。でも、深い課題を作り上げる教科の力量、当意即妙に子ども達の会話を紡ぐ能力よりは遙かに簡単です。せめて2割の教師が「一人も見捨てない」ということを語れ、その教師を含んだ教師集団が有機的に動けば「一人も見捨てられない」教育は実現されます。これは、『学び合い』における子ども集団の構造と全く同じです。子ども集団の中で、教師の願っていることを本当に理解できる子は多くはありません。しかし、確実に2割はいます。そして2割もいれば十分です。

追伸 深い課題を作り上げる教科の力量、当意即妙に子ども達の会話を紡ぐ能力は他の教師に伝えることは困難です。しかし、『学び合い』は何であるかはそれよりも他の教師に伝えやすい。さらに、伝えられない教師であっても、子ども達の2割には伝えることが出来ます。従って教科担任制の中高であれば、2割の教師が分かっていれば集団は『学び合い』で動きます。そして、小学校であっても担任や専科の先生のいずれかが分かっていれば大丈夫です。深い課題を作り上げる教科の力量、当意即妙に子ども達の会話を紡ぐ能力は子どもに伝えることは困難だし、伝わったとしてもそれを活用する場は従来指導型では殆ど与えられていません。

[]『学び合い』高校部会 06:40 『学び合い』高校部会 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 『学び合い』高校部会 - 西川純のメモ 『学び合い』高校部会 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 全国の『学び合い』の会で高校教師の参加が急増しています。それに応えて高校部会が立ち上がりました。お誘いします。http://manabiai.g.hatena.ne.jp/twoyoshi/20120206/1328542758