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2014-05-26

[]タブレット端末 20:01 タブレット端末 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - タブレット端末 - 西川純のメモ タブレット端末 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 昨年度より試行的にやっていましたが、本年度よりタブレット端末利用を本格的に追求したいと思っています。そのことを本日、ゼミ生から聞かれたので説明しました。備忘のために書きます。

 理由は、タブレット端末を教育で利用したいとしたら、『学び合い』以外は不可能だと思うからです。反論の声が聞こえそうですが、その理由を書きます。

 第一に、タブレット端末は基本的に携帯電話と同じです。いつ、どこで、何に使うかは当人が決めなければなりません。例えば、英文和訳をするとき、教師が「では、○○の単語を引いて下さい。次に、○○の単語を引いて下さい・・・」と指示する姿は醜悪だし、滑稽ですよね。それと同じです。このような利用方法は一斉指導には対応できません。

 第二に、今の教師の状態から言って、教師が教材を作成したり、用意することは不可能です。まあ、研究指定校ならまだしも、それでも無理があります。『学び合い』は子どもの力量を前提としております。子どもたちがネット上に溢れる教材を自主的に選択し利用すれば良いし、教材を作成すれば良い。

 第三に、予算の問題です。タブレット端末を利用する、となると一人一台と考えると思います。しかし、そんな台数を用意する予算はありません。家庭で用意させるのには理解が必要です。しかし、『学び合い』では人間が最高のツールだと考えています。タブレット端末はその補完だと考えています。従って、子どもの数の3割もあれば多すぎると思います。誰かが使っている横でわいわいと相談すれば良いのです。

 以上の理由から、『学び合い』以外でタブレット端末を利用した教育をすることは不可能だと考えています。そして、やりさえすれば凄い結果が出ることは確実です。

 なお、思いつきで言っているわけではありません。その基礎的研究は十年前から学会誌に掲載しております。今、タブレット端末が安くなったので、研究ではなく実践として大々的にやれるようになったのです。

 追伸です。

 私自身が特に面白い結果が出ると思っているのは、特別支援学級におけるタブレット端末利用です。おそらく『学び合い』の実践者以外には想像も出来ないでしょう。そして『学び合い』の実践者だったら、その可能性の凄さが分かると思います。「まし」な結果ではなく、どえらい結果が出ます。確実に。

[]志 06:00 志 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 志 - 西川純のメモ 志 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 教員養成系大学の教師を長年勤めていると様々な学生さんに出会います。

 教職に採用されることを願う学生さん、教職にならないことを決めた学生さん、採用された後の自分にビジョンを持つ学生さん。

 最後の学生さんの多くは、授業が上手くいく姿を思い描き、研修会で講師となるカリスマ教師に憧れる。でも、思い描いて欲しいのは自分の姿ではなく、自分の教えている子どもの姿を思い描いて欲しい。「子ども」なんて大づかみな言葉を使わず、一人一人の子どもの姿を思い浮かべた子ども集団の望ましい姿を思い浮かべて欲しい。