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2016-01-15

[] 若手2 22:07  若手2 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク -  若手2 - 西川純のメモ  若手2 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 さっきのメモを書き終わって気づきました。

 先輩研究者から「下品だ」と言われるほど論文を書き続けたのも。

 学会賞を受賞したのも。

 最年少で教授になれたのも。

 学会誌の編集委員長になり、学会長になったのも。

 研究者で教育書を出版できたのも。

 有能と認められることより、有能であり続けるのは数段難しい。

 これは根本先生、戸北先生、渡邊先生という人の後ろ盾があったから。

 さて、自分はそんな諸先輩のような役割を果たせているだろうか。

 果たそうとしている。

 でも、恩送りをするには、まだ足りない。

[]若手 21:52 若手 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 若手 - 西川純のメモ 若手 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 晩酌の後なので、ほろ酔い気分で書きます。

 空恐ろしい若手が欲しい。

 変な若手もいます。面白いことを考えている若手もいます。でも、圧倒的大多数は普通の若手です。それでいい。でも、空恐ろしいことをやり始め、このままでは制御不能になりそうな若手が欲しい。おっさんとお姉様は潰しにかかるでしょう。でも、別なおっさんとお姉様に気に入られて、それを後ろ盾にしてばく進する若手が欲しい。

 私の時代、私より10年前の時代にやったことと同じ手法と手順でやっている人はいます。でも、現在、目立っている人は私の時代より上の人と同じ手法と手順ではやっていない。もちろん、それもやっていました。ただ、それ以外の今は標準化されている手法と手順を自ら開発した。

 私の時代は本に頼っていた。でも、次の時代の人は次を生みだして欲しい。そして、そのアイディアを本の世界で生きている人に売り込んで欲しい。そして、「今」その結果を出して欲しい。学校関係者以外の人と繋がり、化学反応を生みだして欲しい。

 もちろん、そんな人は少数でいい。でも、少数は必要だ。

 私が不満なのは、若手が分からないことをやっていることではなく、若手が私に分かることをやっていることです。もちろん、私が若手と言っているのは二十代ばかりではありません。四十代後半も若手です。

[]聖職 17:28 聖職 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 聖職 - 西川純のメモ 聖職 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 教師は聖職だと思います。しかし、それを人から言われるのは嫌だし、それを強いられたらば闘います。私人としての幸せと余裕を持たざる凡夫がまともな仕事は出来ません。そして百万人弱いる教師の殆どは凡夫であることは自明です。

 和民を非難する人が、何故、凡夫に聖職を期待するのだろう?

[]遵法 10:20 遵法 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 遵法 - 西川純のメモ 遵法 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 学校には脱法行為があたかも美談のように語られることはあります。

 不夜城のような職員室、土日のない部活指導。

 やりたい教師や子どもがやるのはかまいません。やりたくない教師や子どもが強いられるのが嫌です。法で定められていないことを人に強いるのは脅迫です。

 若い教師や子どもはそれを言えないのは当然です。そんなとき、年長者がものを言わねばなりません。たとえ、自分の反対な意見に対してでも。ところが、そんなことを言う年長者が少ないから、今の状態が続いている。

 自分の意見を主張するのは権利です。しかし、反対する意見を言うのも権利です。そして各人が自己判断できる権利があります(法の範囲内で)。

「私はあなたの意見には反対だ、だがあなたがそれを主張する権利は命をかけて守る」という言葉は大好きです。

[]部活 07:05 部活 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 部活 - 西川純のメモ 部活 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 私は部活に対して好意的でないことを書きます。その意図は以下の通りです。

 『学び合い』では「一人も見捨てず」を根本の願いとしています。そして、安易に仲間を見捨てることは自分にとって損であることを経験させます。リッカートによれば、『学び合い』と同じような経営をするところの業績は高く、現状の一斉指導における名人授業と同じ経営をするところの業績は低いのです。これはドラッカーやコリンズの著作にも一致します。

 ただし、この『学び合い』的経営をしなくても成果を上げることが出来る場合があります。その条件は、いくらでもメンバーを切り捨てることが出来る。そして、いくら切り捨てても優秀な新メンバーの補充が可能な場合です。この場合、単に競争をさせればいいだけです。一番の例はプロスポーツです。そして、研究者の世界もそうでしょう。

 しかし、上記は学校教育ではあってはならないと私は信じています。

 しかし、ある競技で名門と知られ、日本全国から人が集まり、部員の数が試合出場の人数の数十倍のチームもあります。その場合は、どんどん見捨てて競争させることで「も」成果を上げられます。全てがそうだとは言いません。しかし、全てが違うとも言いません。ただ、そのような経営が可能であるのです。だから、テレビで映し出される名門チームの美談の裏に暗いものを見てしまいます。

 でも部員の数が試合出場の人数とトントンの部活だったらそんなことは起こりません。起こせません。

 ただし、私は部活を授業の中でしたい。部活国語、部活理科、そして部活体育です。

 授業を部活化することのメリットは大きい。

 第一に、全ての子どもが経験できる。

 第二に、練習時間、試合時間がふんだんにとれる。

 第三に、最終目標を教師が自由に設定できます。それによって子ども一人一人が多様にゴールを設定することが出来ます。例えば、一般の部活は大会の優勝、その大会のレギュラーになるというのが自動的にゴールになってしまいます。しかし、授業だったら既成の大会に縛られない。もちろん、中学校、高校の場合は進学・就職というゴールがあります。この場合は、教師が多様な価値観の可能性を伝え、多様なゴールを設定できます。ま、偏差値が序列でないと言うことです。

 なお、授業を通して支え合うことのメリットを実感できたならば、それは授業外に波及します。その中には部活も含まれます。

[]キャリア教育 06:29 キャリア教育 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - キャリア教育 - 西川純のメモ キャリア教育 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 キャリア教育をしっかりすべきです。

 組織は個人を守る力を失っています(http://netgeek.biz/archives/64543)。自分の身は自分で守らなければならない。何で守ればいいのか、それは多様な人間ネットワークです。自分の属しているネットワークの中にいる人は、その組織から出たとたんに孤立無援になる。実は、学校は、というか、現状では学校だけが人に多様なネットワークを与えられる。

 単に高学歴になる子とは未来を保証しません。いや、今は、高学歴を目指すことはリスキーとも言えます(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201601/CK2016010302000098.html)。子どもに適切な情報を流さなければなりません。その情報とは、偏差値とか、問題傾向ではありません。就職に関することです。大学だったら、大学の情報のみならず、それ以上にどの教員が業界と繋がっているかという情報が必要になるでしょう。大学進学前にゼミ所属を希望する連絡を教員にする子どもを育てなければなりません(私の三十年間の大学教員生活で学部生では一人しかいません)。

 これは高校教師ばかりではありません。中学校、小学校の教師もです。なぜなら、そんなことをしてくれる高校を選ばなければならない。だからです。

 そんなことを今月に出す本(http://goo.gl/GHcaLj)と来月に出す本に書きました。

追伸 例えば、ここで紹介した記事を子ども達に読ませて欲しいと思います。