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2016-01-20

[]全校『学び合い21:58 全校『学び合い』 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 全校『学び合い』 - 西川純のメモ 全校『学び合い』 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 日田市立朝日小全校アクティブ・ラーニングの授業を公開します。

日時:2月2日(火)

 4校時:異学年合同授業(3学年)・・・11時35分から12時20分

 5校時:全校合同授業・・・14時10分から14時55分

参観を希望される場合は、1月27日(水)までに朝日小学校に連絡してください。

[]群馬の会 21:06 群馬の会 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 群馬の会 - 西川純のメモ 群馬の会 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 1月30日に高崎で『学び合い』の会が開かれます。私も話します。http://manabiai.g.hatena.ne.jp/take1_No12/

[]手段と目的 10:31 手段と目的 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 手段と目的 - 西川純のメモ 手段と目的 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 生きる力を獲得するため言語活動が重視された。

 が、学校現場は生きる力の獲得は建前論としてとらえ、言語活動の重視が目的となった。手段と目的の取り違えです。そのため、言語活動をどれだけやったかが議論され、言語活動の質は問われませんでした。ようは、少しでもやればOKになりました。

 アクティブ・ラーニングも同じです。「認知的、倫理的、社会的能力、 教養、知識、経験を含めた汎用的能力の育成」するためにアクティブ・ラーニングが導入される。

 が、学校現場は「認知的、倫理的、社会的能力、 教養、知識、経験を含めた汎用的能力の育成」を建前論としてとらえ、アクティブ・ラーニングが目的となった。手段と目的の取り違えです。そのため、アクティブ・ラーニングをどれだけやったかが議論され、アクティブ・ラーニングの質は問われませんでした。ようは、少しでもやればOKになりました。

 「認知的、倫理的、社会的能力、 教養、知識、経験を含めた汎用的能力の育成」の中で最も重視すべきは、教科学習で今まで担当した認知的(つまり知)だけではなく、倫理的、社会的能力(つまり徳)を含めた汎用的能力の育成することを求めている点です。

 今までの教科学習では、授業の最後に「分かった?」と教師は聞きます。しかし、アクティブ・ラーニングにおいては国語の授業の最後に「君たちは人として正しい行動をしているか?」と問えるかどうかがポイントなのです。しかし、多くの教師が分かっていない。

 我々は社会で生きられる人材を育てているのです。もっと言えば、働いて食べていける人を育てているのです。でも、大学の教師ですら、「それは自分たちの仕事ではない」と言います。ましてや、小中高の教師が「それは自分たちの仕事ではない」と言うのは当然です。

 が、子ども達は働いて食べていけなければ、死にます。

 今までは、それは卒業後の職場が教えてくれました。だから、「それは自分たちの仕事ではない」と教師が言えたのです。が、今後の社会は、職場で教えません。社会は、仕事を出来る人を求めます。だからジョブ型大学、ジョブ型高校を卒業することを求めます。同時に、仕事が出来るけど「嫌なやつ」は求めません。だから、「認知的、倫理的、社会的能力、 教養、知識、経験を含めた汎用的能力の育成」を求めているのです。

 学校が、文科省がどんなにそれをマイルドにしても、社会は「認知的、倫理的、社会的能力、 教養、知識、経験を含めた汎用的能力の育成」を求めます。それが出来ない人を正規採用しません。そのような汎用的能力が無い人は年収170万円の人生を歩むのです。

 どこかの国の首相の経済政策を非難する情報はネットで流れています。私はそのことの是非を論ずれるだけの知識はありません。しかし、日本中の教師が目の前にいる子どもを善意の指導で年収170万円(そして奨学金という500万円の謝金を背負って)の人生に追い込んでいる高校教師が多いことを知っています。そして、そのようなことは自分たちの仕事ではないと思い、そんな進路指導をする高校に進学させている義務教育の教師が多いことを知っています。ものすごく罪深いことだと思います。そのような人が他人を非難できるのか?と思います。

 悪意がないことは分かっているのですが、義憤に駆られます。その子達の幸せを決められるのは首相ではなく、子どもに直接語りかけられる我々教師なのです。

 今の20代、30代の生活の実態を知るとそう思ってしまいます。すみません。

 そんな気持ちで書いた本です(http://goo.gl/1I6zDq)。

追伸 ネットで検索すると『学び合い』を否定する意見が多数ヒットします。でも、今まで一度たりとも、子ども達が30代、40代、50代になるときの社会はどんな社会であり、そのためにどのような教科学習であるかという次元で語った否定的意見を見たことがありません。

[]否定的な方へ 10:31 否定的な方へ - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 否定的な方へ - 西川純のメモ 否定的な方へ - 西川純のメモ のブックマークコメント

 このメモをお読みの方の中には、『学び合い』に否定的な方もおられるでしょう。そして、多くの方は疑問をお持ちでしょう。それが健全です。周りのやっていることを正しいと思うことは多くの場合は最良の判断基準です。ただ、社会が変わるとき、それは崩れます。

 上記のような方に書きます。

 皆さんの疑問に対しては、ありとあらゆることに関して、私は応えられます。それも学術データと実践データに基づいて。二十年間、あらゆる地域、あらゆる学校段階、あらゆる実践者が実践し続けているのです。それも非常にシンプルな原理原則、方法論の『学び合い』をです。だから、起こるであろう問題は出尽くしています。それに対して、学術・実践の両面で分析され、解決されています。もちろん、人相手の営みです。パーフェクトとは申しません。しかし、従来より「まし」であることは断言できます。

 が、それを理解するには、様々な本をお読みいただきたいし、その根拠となっている学術論文をお読みいただきたい。が、否定的な方、疑問をお持ちな方がそのような労力を費やすとは思えません。ですので、もっとも簡単な説明をします。この説明を考えることを機会に『学び合い』を学ぼうとする方が増えることを念じます。

 「一人も見捨てない」を前提とします。おそらく、多くの方は、それに反対されないでしょう。むしろ、『学び合い』が「一人も見捨てない」を専売特許のように言うことを苦々しく感じておられていると思います。すみません。しかし、「一人も見捨てない」と突き詰めれば、『学び合い』以外にあり得ないのです。

 さて、説明です。

 子ども達は多様です。能力的にも、性格的にも。これは当たり前ですね?

 では、その子達全員が分かる説明、全員が楽しい授業、そんなのあり得ますか?

 あり得ませんよね?

 だって、子どもの中には東京大学に進学するだろうと思える子どもがいる一方、知的な障害を持つ子どももいます。成績で輪切りになったはずの高校も、3ヶ月もたてば正規分布します。

 じゃあ、全員が分かる、楽しい授業を実現できるでしょう。

 放課後残して教えます、と言う方がいます。でも、何人指導できますか?おそらく2、3人が限度でしょう。それ以上は無理ですよね。

 じゃあ、どうしますか?

 普通はそこで思考停止します。そして、「頑張る」という太平洋戦争末期の精神論になってしまいます。でも、それで気が休まるのは教師のみです。

 『学び合い』はそこで思考停止しません。

 どの学校段階、どの教科も、子どもの多様性を理解した上で、成績中もしくは中の下に合わせた授業をします。つまり、その程度の授業ならば、教えられる子はかなりいます。その子達とTTすれば効率がいいじゃないですか?至極当たり前のことです。

 子どもでは教えられない、とおっしゃります。本当ですか?確かに教えられない子どもは過半数だと思いますが、教えられる子はいませんか?

 子どもでは教師のような教え方は出来ない、とおっしゃります。確かに、子どもは教師のような教え方は出来ません。でも、教師のような教え方で全員教えられますか?無理ですよね。

 子どもに任せれば遊ぶ、とおっしゃあります。たしかに遊ぶ子はいるでしょう。でも、遊ばずに学ぶ子もいませんか?そのような子が「いっしょに勉強しよう」という方が有効ではないですか?特に遊ぶであろうと思う子どもにとっては。

 子どもが学び合えば、一人ぼっちになる、とおっしゃいます。では、今の授業でそのような子は一人ぼっちではないですか?

 子どもが学び合えば、能力の低い子が露わになる、とおっしゃいます。では、今の授業では能力の低い子は露わになっていませんか?

 一人ぼっち、能力差、それは隠すことによって解決しません。露わにさせ、とれを乗り越える意味を語り、子ども達と一緒に乗り越えるしかないと思います。

 問題を先送りしないで下さい。今できることをやりましょう。ただし、一人で抱え込むのではなく。子ども達と乗り越えましょう。乗り越えることによって、全ての子どもは成長します。そして中年、老年の幸せに繋がります。

 子どもという子どもは一人もいません。あなたが心配していることをする子どもはいます。でも、あなたと一緒に解決してくれる子はいます。

 今まで努力して獲得したものを捨てることに躊躇する方もおられるでしょう。捨てなくていいのです。ただ、一時的に封印して下さい。子ども達集団が育ってくれば、今まで獲得した能力は有効に働きます。私自身、暴走族相手に物理を教えるときに書くとした能力は今でも使っています。

 今のクラスは『学び合い』を導入できる状態ではない、と躊躇する方もおられるでしょう。でも、じゃあ、その状態のままでいいですか?違いますよね。あなた一人で解決出来ますか?出来ないから今の状態があるのですよね。今の状態が自分にとって「損」である子は必ずいます。そして、その子はクラスの中で影響力のある子です。その子にちゃんと語れば、一緒になって今の状態を改善できます。市の義務教育課長(指導主事ではありませんよ)が頻繁に見に来るレベルの学級崩壊を1ヶ月で立て直すことも可能です。学級崩壊は革命です。革命が成功するには、理論的な指導者が必要です。学級崩壊するクラスにはそのような能力のある子が必ず3人はいます。だから、崩壊を立て直せば最高のクラスになれます。

 そして、最後に、否定するならば、ちゃんと本を読んで学んでから否定して下さい。トンチンカンな否定の仕方をすれば、その人の知性と品位が疑われます。本を読んで理論武装して否定して下さい。そして、2チャンネル的な言葉遣いではなく、大人の言葉を使って話しましょう。

 そんなことするつもりはない、とおっしゃる方は沈黙を守りましょう。