■ [大事なこと]組織改革
松は断行することです。ただし、ものすごい抵抗があります。管理職の腹が据わってないと出来ません。
竹は、組織の中の改革派を集めて、小組織を作る。そして、改革を専攻させ、その成果を徐々に広げる。ただし、その小組織にリソースを傾斜配分させなければならないので、他からのやっかみが生じます。それに対して説明しなければならない。そして、徐々に広げる段になると、抵抗が高まる。
と書くと梅が良さそうですが、これは改革をしないということと同義語です。だって、組織全体の利害の安定点が現状なのですから、いくら議論しても、出てくる合意点は現状維持です。そして、全体が沈みます。
■ [大事なこと]組織改革
今、教育に関係する組織の改革が求められています。しかし、長い歴史があり、大きな組織ではなかなか進みません。その中で、今、最も注目されているのが大分大学附属小学校だと思います。
大分大学附属小学校は自らのミッションを以下の3点に再定義したのです。
地域の先進的・先導的なモデル校として大分県教育委員会と連携して実践し、情報を発信する。このモデルとは大分県の教育課題を県との連携で解決する。
地域の教育課題を踏まえた教育実習を計画し、直接その指導に当たる。
(3)大学への協力
教職大学院及び学部教員と協力し、教育理論と実践の往還を通した実証的な研究を行う。
さて、どうでしょう。特段、ビックリするようなものではないと思います。しかし、このミッションの再定義がお題目でないのは、この新たなミッションを実現するために、既存のものをスクラップにしたものを知れば分かります。
例えば、職員会議を廃止し、経営会議(校長、教頭、主幹教諭、指導教諭)を毎日開催し、重要案件は迅速に対応1~2週に1回の運営委員会と職員連絡会を実施する。
教頭一人に業務が過度に集中しないように、管理部は主幹教諭が統括し、指導部は指導教諭が統括。教頭の業務を整理・分担。教頭が全体を俯瞰的に見て適切に指導。組織的な動きへシフトする。
職員個人の連絡先の保護者への公開を非公開にする。緊急の場合に限り、主幹教諭か教務主任が対応する。時間外や休日の保護者と学級担任の直接のやりとりをなくした。
長時間勤務を廃止するために、午前7時以前には登庁不可、午後7時完全退庁完了、土日は完全閉庁とした。これを成り立たせるために、「民間教育研究団体事務局の辞退」、「各学年の文集を6年の卒業アルバムのみとする」、「自作テストを単元テストの購入」、「手書き通知表、出席簿を電子化」、「通知表を年3回から2回(前後期制へ校則変更)」、「提案文章を原則ワンペーパー」、「長い会議の精選」、「常時写真をネット販売」、「学級通信を学年通信で統一」を断行したのです。
そして、公開研究を当面実施しないことを決めました。(県課題に応えるセミナー等は随時開催)
これをやります。あれをやります。と加えることは、誰からも文句を言われません。しかし、今でさえアップアップの状態で加えれば、有名無実になってしまいます。実は、スクラップアンドビルドで重要なのはスクラップなのです。抵抗もあるでしょう、非難もあるかもしれません。でも、それに対してしっかりと説明し、前に進めなければ、本当のビルドは出来ません。