■ [大事なこと]怒り・心配
最近、他ゼミの学部卒業生が1年もたたずに教師を辞めたという話を聞きました。本当にビックリしました。能力的にも、性格的にも教師向きの人です。驚いて、その人の指導教員に聞いたら酷いのです。新任の彼にその学年の手のかかる子供を集めたクラスを担任させたそうです。現場の教育力はここまで地に落ちたかと情けなくなり、その学校の校長を思い浮かべ「恥を知れ!」と毒づきました。
上越教育大学教職大学院には教員採用試験に合格したのにもかかわらず、名簿登載期間延長の制度を使って大学院に入学する人がかなりいます。私の研究室に3人います。そして、大学院1年の時に受験して合格して、名簿登載期間延長を利用して2年目を学ぶ人がいます。これって凄いですよね。働いていたら年収400万円はもらえます。2年間だったら800万円です。2年間の大学院の学費、生活費も加えたら1000万円の遺失利益があります。
しかし、彼らは賢い選択をしたと思います。なぜなら、学部教育で確実に生き残れるほど今の現場の教育力は高くない。そこで生き残れる能力が無ければ、すぐに辞めてしまう。そして、辞めたところで再度合格することは難しいでしょう。上越教育大学の教職大学院では協働力を育てるカリキュラムと実習を経験させます。簡単に言えば、おじさま、オネーサマに可愛がられる教育です。これは本学だけの特徴です。なぜならば、他の大学院は現職者と学卒者の科目が別々ですから。ま、常識的にはそうですよね。でも、本学のカリキュラムを設計したのは私です。だから、文部科学省のご指導に対して、協働力を説明して特別に許してもらえたのです。
新潟県小学校の倍率は1.2倍です。複数の都道府県の受験者を考慮すれば1倍を切っています。そして、新潟県には名簿登載期間の延長制度はないのです。1年後にどれだけ生き残れるか?新潟県の学校現場の教育力が問われます。
追伸 私が受験した頃の東京にはA採用、B採用、C採用がありました。A採用は確実に採用される人です。B採用はおそらく採用される人です。C採用はもしかしたら採用される人です。ちなみに私はB採用でした。その私が学力的には最底辺の学校の物理教師として採用されたのです。私が生き残れたのは、一にも、二にも、三にも、職場であり、先輩教師のおかげでした。それを思うと、学生さんが可哀想で仕方がないです。
■ [大事なこと]興味深い通知
最近、興味深い通知を手に入れました。それは平成30年9月20日に文部科学省初等中等教育局長が発した「小・中学校等における病気療養児に対する同時双方向型授業配信を行った場合の指導要録上の出欠の取扱い等について(通知)」というものです。
小学校、中学校の子どもが長期病気療養を必要とする場合、同時双方向の授業をやることによって出席と扱ってもいいという通知なのです。
私は前々から小学校、中学校でも自由な通信による教育が実現したらいいのにな~っと思っていました。そうすれば学校や学区に縛られません。子どもの学修の自由度も高まります。が、大学、高校は通信制が学校教育法に明記されているのにもかかわらず、義務教育は規定されていません。でも、規定されていないから、駄目と言うことはないと思っていました。
で、例外的な措置としての、この通知の中で、どんなことが書かれているかを読んでいたのです。その結果、一般の授業でやっちゃダメというようなことは一言半句も書いていないのです。
つまり、文言の中で学校教育法のどこどこに反するが、特例措置として認めるというような文言が無いのです。そこにあるのは、普通学級の子どもが通信で授業したら当然成り立つようなことばかりが留意事項としてあるだけです。例えば、授業するのは教員免許状がある人であるとか、教科書を使いなさいとか。そうだよな~っと分かっていました。だって法律は法規で明文化されていないことを求めたり、禁止することは基本的にありえないからです。
ようは、やるかやらないか、だけのことですね。