お問い合わせ  お問い合わせがありましたら、内容を明記し電子メールにてお問い合わせ下さい。メールアドレスは、junとiamjun.comを「@」で繋げて下さい(スパムメール対策です)。もし、送れない場合はhttp://bit.ly/sAj4IIを参照下さい。             

世界

 新潟市に出張のために特急列車に乗りました。ボーッとしていたら「西川先生ではないですか?」といきなり声をかけられたのです。聞くと教師で、私の本をいくつも読んだ方でした。私の横が空いていたので、そこに座ってもらい、新潟まで楽しく会話をしました。

 これもビックリしますが、以下の方がビックリします。

 こんなことがありました。私がお世話になっている某ハウスメーカーの上越支店に、私の担当の方に電話しました。応対の方から、担当の方は出張で本日中に戻らないとのことを聞きました。私は明日、再度かけ直しますと言って切ろうとすると、「私は先生のSNSをよく読んでいるんです」と言われたのでビックリしました。その方とは一度も会話したことがない方です。私は「御社に関わるようなことは書いていないと思うのですが」と申しましたら、「何故か癖になっちゃんですよね」と言われました。「それはありがとうございます」と言って電話を切りました。

 かかりつけ病院ではない、地域医療の中心病院に行きました。紹介状を受け付けの方に渡し、手続きをしました。手続きが終わったとき、その受付の方から「西川先生の本を読みました。面白かったです」と言われました。正直、びっくりしてドギマギしながら、「それは良かった。ありがとうございます」と頭を下げました。

 普段の私の世界は極めて限られています。週一で、ゼミ生(20人)とゼミをし、十一人の同僚と会議をします。事務の方とのやりとりは電子メールが主です。従って、実質上、私の世界は家内と私なのです(息子が大学に進学する前は息子が含まれます)。そんな超狭い世界をカント的なシンプルでルーティーンの生活を過ごしています。

 そのため、私が思っている以上に私は広い世界と繋がっているのだということを、ふと思い出すことがあります。

投資

 大学のゼミ生、およびオンラインゼミ生(https://bit.ly/3lMsgHn)と定期的にゼミをします。その時に知りたいことを、何でも、文字通り、森羅万象天地間に応えます。

 その中で比較的多いのは投資の話です。

 投資の世界には様々な手法があり、様々な指数があります。でも、そんなことを素人がやってもやけどします。玄人でもやってもやけどするのですから。結局、比較的安全な対象に長期分散投資を淡々とやるにつきます。

 ゼミ生に対しては、最低限、以下の2冊は読むことを勧めています。

 ウォール街のランダム・ウォーカー(https://amzn.to/3SdKX4p

 敗者のゲーム(https://amzn.to/3xtGd2p

 多種多様なエビデンスで論述していますが、言わんとするメッセージは単純です。つまり「相場は読めない。読まない。読みたくない」です。

 私の著書(https://amzn.to/3eOOA29)ではロボアドバイザーを薦めています。しかし、私はロボアドバイザーを利用していません。理由はリターンが低いからです。もっと効率の良い資産運用があるからです。しかし、もし、相場を読まないことを理論的に理解していないと、あおるタイプのYouTuberの言葉に影響して、狼狽売りをし、結局、投資をやめるのです。それに比べれば、ロボアドバイザーの場合は何の勉強もせず、取り組めます。

 私は忙しい教師が本気で学べるとは思えないのです。だから、本ではロボアドバイザーを取り上げました。

 若いゼミ生には最初はロボアドバイザーで少額での積み立てをすることを勧めます。先の2冊を読み、煽らないYouTuberを見極め、その人達の話を聞いて勉強するのです。まあ、結局、先の2冊に尽きていると思いますが。そうしたらロボアドバイザーを卒業して、別の投資方法にシフトすればいい。

 が、このあたりの詳細は、ゼミ生限定にしています。理由は二つです。投資の話は一発で分かるわけ無いですから対話が必要です。そして、私という人間とニュアンスが分からなければ、私の発言を正しく理解できないからです。

 投資に関しては中途半端な専門家より、愚直な素人の方の成績が高いと思います。

民主主義

 現行法規によって国葬は行政権の範囲内だというのは、プーチンの特別軍事作戦の論理と同じだな。民主主義は手間がかかります。それを省略し、法的に問題ないと言い張ったら、民主主義ではない。最終的には全員賛成にはならないでしょう。でも、それまでにどれだけ費やすかを中間層は見ています。それが充足したならば、国民の半数以上は肯定します。そうでなかったら、そうでないということです。

 我々は特別支援学級・特別支援学校を卒業して30歳、40歳になった人の保護者の人、また、その人達を雇用している事業所の人事担当の方々に、学校で学んで欲しいことはなにかをインタビュー調査しました。その結果は以下にまとめました。

特別支援学級の子どものためのキャリア教育入門 基礎基本編
https://www.meijitosho.co.jp/detail/4-18-226128-2
特別支援学級の子どものためのキャリア教育入門 実践編(こちらは紙版在庫もあります)
https://www.meijitosho.co.jp/detail/4-18-139019-8

 結論から言えば、今、全国の特別支援学級・学校で教えていることは重要ではありません。じゃあ、何が重要かと言えば、健常者と付き合い方、健常者の仲間なのです。このあたりを文部科学省は、「まったく」理解していません。

https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_631ffd94e4b046aa0237e569?fbclid=IwAR0fLG7i_2i-aoxv97MnfRO8vQZNgvdmE3MCafN6PAD_0Qcn0RsqpT40P9c

 文部科学省の様々な施策は、呆れますが、工業化社会の市場占有者の行動としては理解しています。しかし、健常者との分離に関しては怒りを感じます。口は悪いですが「てめーら、子どもを苦しめるんじゃねえ」と言いたくなります。

自由

 学生時代、私は親(中小企業の社長)からかなり手厚い援助を得ていました。おそらく多くの人が腰を抜かすほどです。結果として、東京都の高校教諭(それも定通手当がある)になることによって、「激減」しました。甘ったれの私は、給与は低いから仕送りし続けてくれ、と今考えれば考えられないことを言いました。しかし、親は断固拒否しました。ビックリしました。でも、今は感謝しています。

 収入は激減しましたが、なんとか出来ます。そのうちにジワジワと幸せになりました。「親の援助がなくても、自分はいきられる」という自覚です。私の親は仕送りを武器にして、私にプレッシャーをかけたことはありません。でも、「申し訳ないな」、「逆らえないな」という気持ちは心の奥にありました。それから解放されたのです。

 あと2年半で私は退職です。退職すると収入は激減します。でも、何故かウキウキしているのです。何でだろう、と思いました。今の仕事は激務ではありません。私を大事にしてくれる同僚に囲まれています。私の仕事の殆どは主体的なゼミ生集団によってまわされているのです。本当に苦労ありません。ですので、この関係を維持できたら、100歳でも仕事が出来続ける。それも、本学の中で最高度のパフォーマンスを維持し続けられます。でも、2年半後をウキウキしているのです。

 本日、ふと、気づきました。私が親の管理下から離れて、自立したときの気持ちと同じなのです。

追伸 教え子諸君。私の姿を見ていたよね。うらやましかったら、そのための準備を怠らないように。精神的自立は、経済的な自立の上にあります。どうしたらいいかも、教えたよね。