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2001-04-20

[]男の更年期障害 22:23 男の更年期障害 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 男の更年期障害 - 西川純のメモ 男の更年期障害 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 私がはじめに老化を感じたのは、二十歳の頃です。それまでは毎年、毎年、身長が伸びていたのに、その伸びが止まってしまいました。その次は三十の頃です。それまで毎日7合~1升の酒を飲んでいましたが、ついにアルコール性肝障害で1ヶ月入院しました。その次は、三十五歳ぐらいの頃です。現在も頭髪に白髪もなく、後退もないのですが、そのころに鼻毛白髪を見つけて愕然としました。だいたい、5年から10年ごとに老化を感じていました。しかし、このところ急に老化を感じることが続いています。第一に、酒量です。このごろ格段に弱くなったようです。第二に目です。息子の離乳食の熱を冷ますため、スプーンに息を吹き吹きするとき気づきました。息を吹きかけるために、口元に近づけたスプーンがぼやけて見えません。老眼です。物の本によれば、30cmぐらいがはっきり見えるならば大丈夫だと書かれていました。今のところ20cmぐらいまではOKですが、確実に進行しています。老眼の「老」という言葉があるので、ショックです。

 私が大学に勤め始めたのは27歳の時でした。そのころ私ぐらいの先生からは、男の厄年(数え年で42)は男の更年期障害だと聞きました。その頃は「ふーん」と聞き流していましたが、本当でした。

 気持ちの中では変わっていないのですが、確実に年はとっています。客観的には中年なのに、自分では「そうではない」と無駄な抵抗をします。きっと神様が「無駄な抵抗をするな」とだめ押しをしているのかもしれません。でも、「神様、もうちょっと待ってくださいね」とお願いしています。

[]こしあぶら 22:23 こしあぶら - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - こしあぶら - 西川純のメモ こしあぶら - 西川純のメモ のブックマークコメント

 昨日の夕食に「こしあぶら」を食べました。こしあぶらはあまり知られていませんが、タラの芽と同じで、新芽の部分を食べます。料理法も同じで、天ぷらが一般的です。あまり一般的ではないですが、タラの芽より美味です。味はタラの芽に似ていますが、春菊のようないい香りがします。タラの芽はよく知られているので、学内のタラの芽は清掃のおばさん達に朝早くに採られてしまいます。しかし、タラの芽はあまり知られていないので、地元の人は誰も採りません。30分も学内散歩しながら採っていると、袋いっぱいとれます。高田公園の桜が葉桜になり始めの時が狙い目です。

[]講義をしながら思い出したこと 22:23 講義をしながら思い出したこと - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 講義をしながら思い出したこと - 西川純のメモ 講義をしながら思い出したこと - 西川純のメモ のブックマークコメント

 今日は2年生に対する講義の日です。この講義では「なぜ、理科は難しいといわれるのか?」という私の本をベースにしています。今回は第2章の「そんなこと知っているよ!」の部分です。その中で、朝顔の成長は、観察記録を取りながら観察しているにもかかわらず、あまり記憶に残らないことを示しながら、「君らならどうやって指導する?」と聞き、班で話し合わせました。「なぜ・・」の内容は、個人の認知に着目する研究ですので、最終的には「自分がいかに知らないかを意識化させる」方法の有効性でまとめるつもりでした。ところが、意外なことに全ての班の最終的な方法は、朝顔の成長を劇にして発表させる(紙芝居にして発表させる)というものでした。

 そこで、急遽「なぜ・・」のレベルを超えて、「学び合う教室」のレベルの話に発展させました。彼らに、「なぜ、劇にしたら有効だと思ったの?」と質問しました。答えは「興味がわくから」でした。そこで、「なぜ、興味がわくの?」と質問しました。答えは、「ただ見るだけではなく作業をするから」でした。そこで、「でも、普通の授業でも絵日記などの観察記録という作業をさせるよ、作業させれば有効だったら今のままでいいはずじゃない?」と質問すると、誰も答えられなくなりました。そこで、「私は他の人と関わっているからだと思うんだけど」、「劇や紙芝居は、他の人に見せることを前提にしているよね」、「それに、劇や紙芝居グループでやるよね」、「そんな他の人との関わり合いの中で、朝顔を観察することが重要なんだという意識、もしくは文化が出来るんだ」、「そのような文化の中では朝顔の成長を忘れることはないと思うよ」、「従来は、個々人の頭の中を知ることによって、個々人の学びをよくしようと思っていたんだ、でも、私の研究室では、子ども達の集団を知ることを知ることによって、個々人の学びをよくしようと思っているんだよ」と説明しました。

 実際は15分程度、いろいろな身近な例を挙げながら説明したものでしたが、要約すると上記の通りです。この話をしながら、「なぜ・・・」に書いてある研究をした当時の私自身が、今日、私が学生さんにした質問されたら何て答えるんだろうな、と考えていました。すごく遠い過去のような気がしますが、せいぜい5年前にすぎません。