■ [Q&A]質問に応えて2
小林小学校での講演での質問の残りです。
Q 教師は,具体的に何をしたらよいのかと思いました。「この課題をやりなさい」と指示するだけではうまくいかないように思います。本を読ませていただきたいと思いました。
A はい、教師がやるべき事はあります。HP(http://www.iamjun.com/)に手引き書が公開されています。それをご参照下さい。
Q 分からない子どもは,その時間の中で「分かる喜びをもつことができるのか?」と思いました。分かる子どもは,どのようにして『学び合い』を感じているのか疑問に感じました。『学び合える学級』を作るためには,そこまでの積み上げが必要なのではないかと感じました。
A 詳しくは、「勉強しなさい!を言わない授業」(東洋館出版社)に書きました。簡単に言えば、教師が想定するような固定的な教え教えられる関係ではなく、流動的な関係が形成されます。
Q 可視化は,どうすると効果的なのでしょうか。自分のやっているのは,そこがなかなか上手くいかない気がします。
A HP(http://www.iamjun.com/)に手引き書が公開されています。それをご参照下さい。
Q 45分間の授業を考えた時に,「最初の教師の働き掛け」「最後のまとめ方」をどのようにしたらよいかと考えさせられました。
A HP(http://www.iamjun.com/)に手引き書が公開されています。それをご参照下さい。
Q 教師の役割は,『学び合い』の中ではどのようなものか。「連絡事項・課題提示,計5分」なら,専門性がいらないのではないか。(ある研究者が「この課題いいですよ」というものを,誰でもよいから,子どもに示すだけでよいことになる)この指導の繰り返し,どのようにとらえたらよいか教えてください。
A 教師の役割を上記に関連づけて説明すれば、やる気にさせる、ということです。例えば、剣道部の顧問が毎日、「素振り100回」という課題を与えたとしても、子どもが本気にやるか、おざなりにやるかは顧問によります。さらに言えば、全員が本気にやるか、おざなりにやる子が数人いるかは顧問によります。上記の出来る顧問が何をしているか、それは『学び合い』と一致しています。
Q 『学び合い』の導入時期に注意すること,配慮することは何か教えてください。
A HP(http://www.iamjun.com/)に手引き書が公開されています。それをご参照下さい。
Q どの学年からでもよいのか。低学年からがいいのか。
A どの学年からでもOKです。幼稚園の年中でも、また、私のように四十近くの現職者でも。
Q 集団の人数はどのようなものでもよいのか。
A 人数が多い方が楽です。
Q 課題を解決しようという意欲を高める必要があると思いがそれはどのような働き掛けか。
A 何のために学校で学ぶのかをちゃんと語り、それが指導において一貫していることです。
Q これまで,「かかわり合い」の中で,課題を解決しようとしてきた(子どもたちが主体なって)実践があるが,『学び合い』との違いは何か。また,「かかわり合い」について『学び合い』の視点からどのようにとらえているか。教えてください。
A おそらく最も違うのは、子ども達を有能と考えるか否かです。一般の関わり合いの場合は、教師がごちゃごちゃと指示や準備をしなければ関わらないと思っています。例えば、机の配置や班構成など。ところが、『学び合い』はそんなことしなくても、ちゃんとできると信じます。
Q 『学び合い』が応用可能な範囲をどのように設定しているのか教えてください。
A 人間の集団においては、ありとあらゆる範囲で適用可能です。
Q ごちゃごちゃした中(集団が)で,ある程度バランスがいいと『学び合い』が成立しない。または,誤概念定着してしまうのではないかと機具を抱きます。どのようにして解消すればよいのでしょうか。
A 教師は与えられた子どもに対して高い達成度を実現しなければなりません。ゴチャゴチャしたほうがいいですが、そうでなくても可能です。また、誤概念が定着することはありません。クラス全員が誤ることはありません。従って、クラス全員が関わることが実現できれば、誤概念が定着することはありません。
Q 今,2年生の担任をしています。低学年でも,『学び合い』は可能でしょうか。
A 可能です。低学年は直ぐに学び合います。彼らは本能のままに動きますから。
Q 集団の高まりを実感しました。能力的な高まりを個に焦点化すると,どのような実能があるのか伺いたいところです。
A 一人一人多様です。一人一人が一生懸命に高まろうとするところが良いところです。
Q 教師の役割は,学習手段の組織,みとり,励まし・・・。明確になっているところが知りたいです。(原則的なもの)
A HP(http://www.iamjun.com/)に手引き書が公開されています。それをご参照下さい。
Q 初めて『学び合い』を始めるとき,子どもたちにどのような話をして始めたらよいのでしょうか。
A HP(http://www.iamjun.com/)に手引き書が公開されています。それをご参照下さい。
Q 高学年のグループ化は,学習のさまたげになるのではないかと思うのですが,いかがでしょうか。
A はい、そのような固定的な集団を崩すことが出来るのが『学び合い』の良いところです。
■ [嬉しい]異学年
学校で『学び合い』に取り組んでいる地元の学校に行きました。片道20分ですので楽ちんです。
前回から1週間半ほど立ちますが、先生方に腑に落ちていくのが分かります。明らかに子どもの声がけ、立ち位置、動きが変わります。何よりも、不安な表情から笑顔に変わっています。基本的に、「もう大丈夫だな~」っと感じました。さらに、本日は異学年のトライです。経験されたことがない先生にとっては、異学年の教科学習は驚天動地だと思います。でも、すんなりと子どもは異学年に入りました。当たり前ですね。異学年の方が自然ですから。異学年が広がれば、子どもたちのパワーもアップします。それ以上に、教師の協働力がアップします。
午後、大学に帰るとDVDが封筒に入っていました。沖縄の学校から、7月7日、8日、9日に連続で行った6年、5年、2年の異学年の算数の授業です。笑っちゃうほど良いです。1日ごとに先生方の動きが変わっていきます。もちろん、子どもの動きは凄く良いです。異学年の方が楽で素晴らしい、それをよく分かっている私でさえも、笑っちゃうほど、すんなりと入っていきます。こりゃ、面白い化学反応が起こります。
その学校とは21日の午前中にスカイプを通して職員研修会に参加します。
文明の利器に感謝です。
■ [Q&A]質問に応えて
先だっての小林小学校におけるアンケートの中に、明らかに質問と思われる部分を抜き出し、私なりの応えを書きます。納得できなかったら、どうぞメールしてください。私は、まじめなメールには徹底的に応えます。
Q 学校で取り組むのは良いが,学級・学年だけで取り組んで大丈夫なのか?やはり,全体で取り組まなくてはならないのか?
A 学校で取り組む方が良いに決まっています。しかし、学校で取り組んでから、では、今目の前にいる子どもを救うことは出来ません。まずは自分から、まずは出来るところからだと思います。
Q なぜ,評価を与えないのか?KR情報は?と不安になった。評価を与えると個にかえるので,『学び合い』集団から個にもどるのかと考えた。私は,「教えて考えさせる」授業づくりを進めている。「教えたあとに学び合う」授業作りをすると,どんなに質が高くなるだろうと期待がもてる。知のネットワーク作りを呈した認め合う集団は素晴らしいと考える。目指すゴールがなくても,学び合いながらゴールが分かり,目指すことができる。ゴールがまちがっていると危険があると考える。特に解が拡散しているゴールの学習で『学び合い』ができるようになれば,素晴らしいと考える。
A 評価は与えています。ただ、我々は子どもたちを一人一人違うと考え、一人一人に評価をすべきだと考えています。これは現状の授業では出来ません。だから、子どもたちと一緒になって形成的評価をするようにしています。そして、最後の評価は現状と同じで、テストです。
『学び合い』ではゴールで一番大事にするのは、良いゴールではなく、それ以上に、子どもに分かるゴールを目指します。それ故、ゴールが間違う危険性は従来に比べて格段に少ないと思います。
小林小学校から情報が送られ次第、上記以外の質問にも順次、応えていきたいと思います。いましばらくお待ち下さい。