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2011-05-20

[]ばく進 18:14 ばく進 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - ばく進 - 西川純のメモ ばく進 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 毎日のブログがアップできないほど、フルスロットルで毎日を過ごしています。だから、晩酌が終わって息子の添い寝をすると、そのまま爆睡してしまいます。

 私の大好きな言葉の中に「自らの製品、サービス、プロセスを自ら陳腐化させることが、誰かに陳腐化させられることを防ぐ唯一の方法である。」というドラッカーの言葉があります。この25年の研究者人生の中で、常にそれを行っていました。

 『学び合い』においても、初期の研究は私には鎮撫に見えます。おそらく、その方が現状に近いので多くの人には分かりやすい。だから、それを語ることもありますが、興味の対象ではありません。

 クラス単位の『学び合い』も基本的に分かるべき事は分かったと思っています。数年前には困難な壁のように見えた教師の『学び合い』もほぼ分かりました。異学年の研究も全校『学び合い』の研究を4年も続けていれば、分かるべきものは分かってしまいます。

 そして、学校横断の『学び合い』も具体化しています。おそらく、中学校区レベル、つまり昔の村や町レベルの『学び合い』も今年中に目鼻がつくでしょう。今、それを具体化するために、フルスロットでやっています。

 で、です。その先です。それがリアルに私には見える。それに手を出し始めたら、もう、何が何だか分からない生活になりそうで怖い。一つの方法としては、既に分かったことを量的に拡大したり、ひねりを入れる程度のことを続けると言うことです。しかし、研究者としてそれはつまらなすぎます。

 十九世紀までは、物理学は天才の頭の中で生まれ、育てられていました。ところが、二十世紀になってビックサイエンスになりました。ルビアや我が国の小柴は明らかに、ニュートンやアインシュタインとは違った人種です。

 教育研究者の中には自然科学の天才と比肩できるほれぼれするような天才はいます。でも、私はそういう人種ではありません。40際を越えてからは、教育研究をビックサイエンス化することによって生きてきました。でも、これ以上大きくするための枠組みは我が国にはありません。いや世界にも今はない。おそらく国防教育法以後のアメリカのカリキュラム改革運動レベルの事が必要です。

 どうしたらいいのだろうか・・・と思います。

 つらつら書いて、今、思いつきました。そうです。ビックサイエンス化出来なければ、内容論の研究にシフトすればいいのです。教育研究で、最も遅れている領域に手を入れればいい。私が退職するまでの間でしたら、今の間尺でも、面白いことがだいぶできそうです。