■ [大事なこと]高校の『学び合い』

来週の火曜日から2泊3日で、鳥取県の高校教育課の方々が、高校での『学び合い』を学びに上越に来られます。それに併せて、我がゼミの学生も参観に行きます。結局は、『学び合い』は学校段階に関係ないということを学ぶのだと思います。
■ [大事なこと]次

私は『学び合い』をさっさと終わらせて次に移りたいです。それは内容論です。かってそれに関してメモりました(http://j.mp/lBI1tH)。それを補足したいと思います。
私は学校教育の目的とは、子どもを大人にするところだと思います。具体的には「多様な人と折り合いをつけて自らの課題を解決することだと」だと思います。現状の『学び合い』は、その課題の内容は吟味しません。あくまでも指導要領が定めるところに準拠します。どんな課題であっても、折り合いをつけることは必要です。そして、それによって、折り合いをつけることを学べます。だから、とりあえずは課題の内容は吟味しません。しかし、現状の内容は馬鹿馬鹿しすぎます。だから、やりたいのです。
そもそも大人になって幸せになれるか否かを定めるのは何でしょうか?私は基本的には「就職」、「結婚」、「子育て」だと確信しています(http://j.mp/iwSVLY)。もちろん、人によっては「結婚」以外の永続的な関係を結ぶ場合もありますし、「子育て」は子ども以外に次世代に何かを残すという場合もあります。しかし、多くの人は、ごく普通の「結婚」、「子育て」だと思います。
では、現状の学校で上記をやっているでしょうか?私は殆どやっていないと思います。例えば、「就職」に関しても、イベント的なキャリア教育が、中学3年とか、高校3年の時に行われるにとどまっています。しかし、私はもっと充実すべきだと思います。
具体的には、小学校中学年以降は、週のうち2日程度は具体的にどこかに就職するのです。それもチームでやります。学び方はかつての徒弟制のように、徐々に、そして時間をかけて集団に入るという形です。(現在、上越教育大学の教職大学院では、それをやっています。)さまざまな職業を経験させながら、そこで必要となる知識をチームで『学び合い』を通して獲得します。
そのようなチームでは男女を混合します。そして一定のルール(例えば避妊等)の中で、男女の恋愛は「奨励」するのです。(ビックリしないで下さいね)学校は異性とのつきあい方を学び、一生の伴侶を見つける場であると位置づけるのです。そもそも少子化の一つの原因は晩婚化であることは確かです。
併せて、学校は保育園と連携して子育て経験をもっと増やすべきだと思います。家庭科では料理や裁縫を学びます。でも、料理は電化製品が発達しています。そして現状で裁縫をしている人がどれほどいるでしょうか?外注、つまり買ってすませているのではないでしょうか?しかし、子育てはどこまでも人が関わるものです。
以上の私のイメージがどれほどラディカルに見えるでしょうか?これがリアルになるためには、『学び合い』の広がりによって、何のために学校があるかを真剣に考える教師や大人の数が増えないと無理なのです。そして、子どもの能力を正当に評価できる教師や大人の数が増えねばなりません。
だから、「次」なのです。
追伸 人がギョッとするようなことをリアルにイメージする能力は研究者にとっては大事な能力です。しかし、自然科学と違って、社会科学においては難儀である場合もあります。