■ [大事なこと]リターンマッチ

ゼミ生の合否の結果が流れはじめる時期です。
過去は変えられません、でも、今の結果を良かったと思える未来を創ることは出来ます。
私は大学に入ってからしばらくして、大学の掲示板を見ないようになりました。というのは、必要な情報は友達から「おい、西川、○○があるぞ、見とけ」という情報が流れます。結果として、毎日、掲示板を見て、自分と無関係な情報を読むという無意味な時間を省略することが出来ました。
大学院の2年の時です。東京都の高校を受けようと思っていました。その案内が掲示板に掲示されたら誰かから教えてもらえると思っていました。ところが、5月になっても、6月になっても噂になりません。心配になって友人に「まだ受験の案内はないの?」と聞いたら唖然として「もう、申し込みは終わっている」とのことです。愕然としました。受験の情報はデリケートな話題です。同じ都道府県を受ける人もいます。つまりライバル同士なのです。だから、話題に上らなかったのです。
で、今できること、受験する同級生に出来ないことをを何かしようと思いました。
私は修士論文を徹底的に、組織的にやりました。結果として、修士2年の9月頃には完成しました。そこの頃には指導教官の小林先生以外に、多くの先生に読んでいただきました。
で、終わった後、何をするべきかを考えました。
博士課程に進学した同級生は生物学の学術論文を投稿しはじめている頃です。とうことで、まずは日本理科教育学会、次は科学教育学会、そしてScience Educationというデューがはじめたアメリカの雑誌に投稿しました。そして、その後も論文を書き続けました。
12月になって教員採用試験の勉強をしました。徹底的に。例えばチャートを全文暗記する気持ちで勉強しました。で、合格しました。
そして、大学院時代の学術業績を見込まれて上越教育大学に採用されました。つまり、大ポカをしなかったら、今の私はありません。だから、実感として「人は変えられませんが、でも、自分を変えることは出来ます。過去は変えられません、でも、今の結果を良かったと思える未来を創ることは出来ます。」と言えます。
追伸 教員採用試験に残念な結果だった学生が臨時採用に進む人がいます。でも、私は大学院進学を勧めます。理由は、本学大学院は先輩教師に可愛がられることを学べます。つまり、採用されるだけでなく、採用されてから辞めない教師に育てます。第一、臨時採用で教員採用試験の1次試験は通りません。その勉強する時間は無いからです。私の経験上、臨時採用で合格するには3,4年はかかります。それだったら、大学院に行って受験勉強をすればいいのにな、と思っています。臨時採用といえども子どもにとっては教員です。真面目な人は手を抜けません。それに教職経験だったら、正規採用されたら、40年間積み上げられます。そんなに急がなくてもいい。
■ [大事なこと]教師のお仕事

大阪市の教育に関して以下の3つの記事をお読みください。まあ、私のメモを読まれる方でしたらご存じだと思います。
http://www.city.osaka.lg.jp/seisakukikakushitsu/page/0000426354.html
https://h-ishin.com/osaka-city/16526/
大阪市教員:全国一高い初任給、昇給は年功序列から能力重視へ 来年度から実施
http://news.livedoor.com/article/detail/15103783/
「学テ」結果、校長や教員のボーナス、学校予算に反映へ…最下位状態化に危機感 大阪市の吉村市長方針
多くの方はご不快になるかもしれませんが、この流れは賛成です。というか、賛成/反対ではなく、必然だと思います。
民主的に選ばれた首長が、管下の職員給与体系に合法的な方針を持つことは当然だと思います。それがだめだったら落選させればいいだけのことですから。
ただ、現状の教員が納得しがたいのは後出しじゃんけんだからです。採用されたときの条件を首長が勝手に変えたということは不当だと感じるのは当然です。しかし、不当か正当化を決めるのは教員でも首長でもなく裁判所です。はっきりさせたいならば「労働条件の不利益変更」として訴えればいいことだと思います。首長がこの方針を出したということは、その裁判に勝てると思っており、もし、訴訟が起こらないならば、教員も勝てないと思っていることを示しています。今後の流れを見守りたいと思います。
脱工業化社会のコードで今後を考えると、非常勤講師の給与体系を大幅に改善し、正規雇用と同じにします。そして、成果主義を徹底します。雇用は都道府県・政令指定都市単位ではなく、市町村レベルで行います。その結果として、雇用の流動化が活発になります。新規採用者の基本は5年程度の期限付き採用とします。
各教員は自分自身の実績を多様に記録し、市町村や保護者にアピールします。たとえば、前担任の全国学力試験の点数を自分の年代の点数、全国コンクールへの子供の受賞歴、大学院等の学歴、英検・トイックの点数、民間企業の勤務実績等々です。
多くの教員も、教育委員会も望まないでしょう。その場合は、保護者が学校を捨てて学校教育法の1条校以外に流れます。その場合は、学校教育は制御不能の状態になるでしょうね。「2030年教師の仕事はこう変わる!」(学陽書房)をお読みの皆さんは、「こんなになるわけない」と思う一方、「示された根拠から考えて、こうなるかも」と思われたと思います。そして、出版されてから1年もたたないうちに、本で書かれたことの兆候が現れていることに戦慄されているのではないでしょうか?でも、脱工業化社会への移行は必然です。あらがうよりは理解すべきだと思います。願わくば、動くことです。急流で船を操る方法は、その流れより速く動くことしかないのです。
追伸 これからの大規模な学校統合を実行するにはネットを介した授業を実現するしかありません。そうなったら物理的な制約から離れ、保護者は学校を選べます。非常勤講師は学校を選べます。PTA会費から給料の上乗せをしてもいい先生をほしがる時代は必然です。
「2030年教師の仕事はこう変わる!」に書いたとおり、小学校は現在の二万校弱がおおよそ約六千五百校に、中学校は現在の1万校弱が約三千校に縮小します。地方はさらに厳しく、島根県、和歌山県、高知県、岩手県では小学校は現在の1割程度に減少するのです。東京都、大阪府、愛知県でさえ半減します。今のままで成り立つわけありません。