私は学生さんのやることは大抵は笑って許しています。まあ、私の若い頃に比べれば「まし」ですから。しかし、希ですが重大なことの場合は諭します。普段が陽気なオッサンがディフォルトですので、穏やかに話すだけで十分です。また、時間も短くして、「はい、終わり」といった後はいつもの陽気なオッサンに戻ります。
今日、ある学生を諭した後に、昔話をしました。
大学院の時です。指導教官の小林先生は普段は東京の学校教育部でお仕事をされています。週1で筑波にこられます。ゼミ生は時間を分け合ってゼミを受けます。
あるとき、ゼミ後輩が遅刻したのです。原因は前夜の飲み過ぎです。そこで、私は珍しくガンガンに叱りました。
次の週です。寝ている私を電話が起こします。受話器を取ると、「西川さ~ん。ゼミの時間ですよ」とゼミ後輩の声。頭が真っ白になりました。あたふたと大学に行き、小林先生に平謝りをしてゼミを受けました。控え室に行くと、満面の笑みのゼミ後輩。私は「何も言うな。今日は、いくら呑んでも食べても、俺が払う。それで勘弁してくれ」と平謝りです。
それ以来、自分が人を激しく叱ると、それは見に戻ってくるのではないかと思うようになりました。自然と穏やかに諭し、時間も短くなります。
私の好きなゲーテの言葉があります。曰く
「寛大になるには、年を取りさえすればよい。どんなあやまちを見ても、自分の犯しかねなかったものばかりだ。」