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2003-09-29

[]紙のメダル 22:27 紙のメダル - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 紙のメダル - 西川純のメモ 紙のメダル - 西川純のメモ のブックマークコメント

 昨日は、息子が来年はいる予定の幼稚園運動会です。運動会では、来年はいる予定の児童が招待され、その児童によるかけっこが企画されています。ヴィデオカメラ片手に参加していました。年少児童のお遊戯を見ると、来年はこのレベルまで達することが出来るのかしらん、と不安になると同時に、幼稚園先生に対して限りない敬意を感じました。

 プログラムが進み、かけっこが始まります。先生のかけ声とともに一斉に息子達が走り始めました。なんと、息子はダントツの1位です。他の子どもが三分の二も走れないのに、息子はゴールです。親ばかの私が喜ばないわけはありません。幼稚園先生が、参加した児童に等しく紙で作ったメダルをかけてくれました。自宅に帰ってから、写したヴィデオを夫婦で何度も確認し親ばか丸出しで喜び合いました。最後に、元幼稚園先生だった家内が「幼稚園先生だったとき、こういうの(紙のメダル)を何回も作ったけど、もらってみるとこんなに嬉しいものだとは思わなかったわ」とポロッと言いました。教師にとっては、毎年毎年の繰り返し、何十人、何百人の子どもの一人かもしれませんが、親にとっては特別な特別な存在です。そのことを、ふと再確認しました。

[]習熟度別・少人数学22:27 習熟度別・少人数学習 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 習熟度別・少人数学習 - 西川純のメモ 習熟度別・少人数学習 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 本日、習熟度別学習、少人数学習を学校で取り組んでいる先生が来訪され、その先生と話す機会を得ました。私は習熟度別学習・少人数学習は良い方法とは思っておりません。何故なら、それらは「教師が教える」という前提にたっているからです。しかし、教師が一番良い教え手ではないことは数々のデータから言えることです。また、一般の学校で実現出来る少人数は、せいぜい40人学級を30人、20人学級にする程度です。ところが、学び合いが成立すれば、40人の子どもが40人の教師になるのですから、究極には一人の学習者に39名の教師という状態にすることが出来ます。とあいえ、現場では「少人数」信仰は根強いものがあります。今日、来られた先生がおっしゃっていました。

 『私の地区は、必然的に30人学級になります。山奥の学校になれば十数名になります。僻地校の中には学年一人の学校もあります。もし、少人数学級が有効だったら、そのような学級は基礎学力が高まるはずです。結果として、その学校から進学校にばんばん入るはずです。でも、そんな話は聞いたことはありません。』

 少人数信仰先生方は、この疑問に対して、どう答えるのでしょうか?

[]コンパ 22:27 コンパ - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - コンパ - 西川純のメモ コンパ - 西川純のメモ のブックマークコメント

 私の指導教官小林先生は酒は強いのですが、酒席は好まれません。そのため、小林先生を交えたゼミコンパというのは3年間の大学院時代、拝み倒して1回だけしかありません。一方、ゼミ生同志は頻繁にコンパをやっていました。特に、一年後輩のT(現国立大学助教授)とは、一日おきにげろをはくほど飲み明かしました。酒好きの私は、自分でゼミを主宰するようになってからは、頻繁にコンパをしましたし、家にも招いてコンパをやりました。しかし、子どもが生まれ忙しくなってからは、自宅に招くことも控えるようになりましたし、外でのコンパも1次会で失礼することが通例となりました。最初の頃は、「こんなに不義理して、何か問題ないかな~」と思っていましたが、全く問題ありませんでした。

 ある先生からメールが来ました。その先生TT先生と一緒に学び合いの実践をしている方です。以下がメールのごく一部です。

 『授業では不登校だった子が、TT担当先生がどんなに声をかけても無視するのですが(まだ他の子が自分の机に向かっているとき)、他の子が彼の所に行くとにこにこと勉強を始めるのです。最近発見です。私たちの気を引こうとしているのか、うっとうしいと思っているのか、でもやっぱり友達と学習することが楽しいのだと思います。やっぱり子供は教師以上ですね。TT担当は彼が気になってしょうがないようす。自分から人に聞けるようになったのだから、自分で聞くのを待とうとTT担当と話し合いました。彼の授業後のアンケートは相変わらず「わけわかんね~」と書いてありますが。』

 このTT先生不登校だった子どものつれない様子が気になるようです。でも、我々教師の仕事子どもと仲良くなることではありません。子ども同士が仲良くなれる場を設定することが本当の仕事だと思います。だから、その子どもから何を言われても、その子どもが他の子どもと仲良くなっているならば喜ぶべきなのではないでしょうか?そんなことをメールで返信しました。

 昨週末、うちの研究室メンバーOBを交えてコンパをしました。コンパの計画が進んでいることは、うすうす気づいていたのですが、知らんぷりしていました。そのうち「先生は参加して頂けません?」なんて来るかな~と思っていましたが、全然、そんなそぶりはありません。そして、指導教官を全く無視して、仲良く盛り上がったそうです。でも、私はそのことをとても誇らしく思っています。

[]良い方法 22:27 良い方法 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 良い方法 - 西川純のメモ 良い方法 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 我々の考えに共感する先生もいれば、拒否する人もいます。「指導無きところに教育無し」というような、教師が教えなければ子どもが何も出来ない、と固くお思いになっている先生もいます。その先生を説得する良い方法は無いかな~と思っていました。最近、ある先生メールを見て、ある方法が、いい方法だということを再確認しました。その方法は、無理矢理その先生を説得するのではなく、子どもたちに決めさせるようにするんです。ガリガリの指導論者は、「そんなことしたって、どうせ出来やしない」、「どうせ、低レベル結論しか出せない」と思ってたかをくくっています。ところが、いちど学び合いの文化が出来上がった学習集団に議論をさせれば、下手な職員会議より数段上の結論を出します。だって、一番状況を知っているのは子どもですし、その正否の結果を一番シビアに受けなければならないのは本人たちなんですから。その子どもたちの議論の場に、その先生を同席させるんです。そうすればこちらの勝ちです。だって、子どもたちが真面目に出した、正当な結論をつぶせるほどのバカな先生はごく希ですから(皆無とは言いませんが)。