■ [親ばか]ユニーク 
息子のことで幼稚園の先生から心配なことを家内が聞きました。その日の活動は赤い折り紙を折りたたんで、裏（つまり白い部分）に色を書いて「イチゴ」の実と葉っぱをつくる活動です。ところが息子はなかなか折り紙を折 れず、結局、幼稚園の先生が殆どつくったようです。そして、他の子どもは緑色を使ってイチゴのヘタの葉っぱ書いているのに対して、息子は紫で書きました。そんなことを言われると、息子は手先が不器用なのではないか、とか、心の発達に暗い影があるのではないか（フロイド学派では紫は何かの象徴なのかな～）とか不安に思います。おそらく、そんなことを思ったので幼稚園の先生は家内に報告したのだと思います。
不安になった家内は、家に帰ってから、息子に色紙を与え折らせてみました。そうすると、直ぐにちゃんと折れたそうです。「え！？」と思って、家内が「なんで幼稚園で折らなかったの？」と聞くと、「つまらなかったから」と答えました。本当にわが息子だと思います。私も彼の年代の時は、興味のあることは集中してやるが、興味のないことは全くの手抜きをする子どもでした。そして、「何で葉っぱを紫色にしたの？」と聞きました。間髪を入れずに応えた、彼の応えは、「ユニークなものをつくりたかったから」です。その話を聞いて、最初の１秒はポカンとなり、その後、大爆笑しました。私は彼に対して「ユニークであれ」と言ったことはありません。いや「ユニーク」という言葉を使っていません（少なくとも意識的に）。ところが、幼稚園児の彼はユニークであることは良いことだと思い、ユニークという言葉を使います。
手先が不器用でもなく、心の発達に陰があるわけではありません。でも、かなりユニークな幼稚園児だと思います。私もそうでした。でも、私はユニークであることがメリットとなる大学の教員で飯を食っています。ところが、息子のなりたい職業は３歳ぐらいから、一貫して、電車の運転手さんなんです。息子は電車の運転手になって、我々を乗せたいと言います。でも、私（いや全ての乗客）はルーティンで確実な運転の電車に乗りたいと思います。ユニークな運転をする運転手の電車には乗りたくない。う～ん。
