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2010-05-08

[]教え子 22:17 教え子 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 教え子 - 西川純のメモ 教え子 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 本日、新潟市で講演しました。そこで40歳を超えたOBの顔を久しぶりに見ました。いずれも本当に可愛い。なでなでしたいほど。そう、高校教師の頃に子どもたちを猫かわいがりした、あの感覚です。おっさんを可愛いと思うと言うことは、ジーさんになりかかっていると言うことです。う~ん

追伸 今年修了したOBは、ちょいと成長した香りを感じました。さすが職場は人を成長させるものだと感じます。

[]志 07:29 志 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 志 - 西川純のメモ 志 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 教師として管理職として伝えることが難しいことは志です。そして、課長以上の管理職の仕事はまさに「志」を伝えることにつきると考えるのが『学び合い』です。でも、志というのが龍馬伝のレベルになると凡夫にはちょいと関係ないと思います。

 私の場合は「そこそこからの離脱」、「集団創り」、「上位集団から考える」の三つです。

 基本的に我々人間は横並びをよしとしていると思います。それで数百万年の生存競争を生き残ってきたのですから。他の動物はどのように生きるかということの殆どをDNAの中に組み込んでいます。でも、人間は非常に多様な環境(極北、熱帯雨林、砂漠・・)の中で生きています。従って、それらの中で生き残るすべをDNAにすべてを組み込むことは効率が悪い。だから、「その環境で生き残っている人の振る舞いを真似る」というきわめてシンプルな一つのルールをDNAの中に組み込んでいるのです。ま、職場においても「出る釘は打たれる」でこじんまりとまとまるのが安全策です。でも、その横並びそのままでは、その集団の成長もありません。そして、成長や変化のない集団は、緩慢な死ししかないのは進化論の説くところです。

 だからどの集団にも、そこそこから離脱するメンバーは1割程度はいます。ロジャーズ理論の革新者もそのような人たちです。管理職の力量は、この1割程度のメンバーをどのように他のメンバーに絡ませるかだと『学び合い』では考えます。

 残念ながら、その1割程度のメンバーの多くは玉砕する危険性が非常に高い。というのは、1割なのですから同じ職場の大多数は反対者・中立者です。だから、自分の考えがなかなか通りません。大抵の場合は、自分に反対する人を説得しようとします。でも、それは非常に非効率的です。大抵の場合、失敗します。そうなると、一転してその人を全否定し、無視します。反対者は常識者であり、自分の方が変であることを自覚しましょう。だから、その人を何とかするより、自分に準じる「変」な人を探して、その人と連携しましょう。

 でも、自分の職場でその人を見いだせないと言われる方がいます。おそらくそんなことはないのですが、極端に小さな職場だと短期的にはありえることです。その場合は上位の集団に目を向けましょう。自分の学校で行き詰まっているなら、自分の地域、自分の県レベルを変えようとすべきです。たいていの人は、自分の学校でも難しいのに、地域・県なんてもっと無理と思います。でも、逆です。地域・県を変える方が自分の職場を変えるより楽です。だって、一人で十人を説得するより、十人で百人を説得する方が楽だと思いませんか?少なくとも「気が楽」になることは確実です。

 私は日本中の教師に語りたい。あなたのクラスの2割は苦しんでいます。それを合理化する理屈は山ほどあるでしょう。でも、それを言い続けていれば、やがて腐っていきます。職場には必ずいる、子どもや保護者(つまりユーザ)や校長や教育委員会(つまり組織)の悪口を繰り返し言い合っている人たち、そんな風になってしまいます。

 何とかしようとして、自分の職場で行き詰まっている方もおられるでしょう。でも、どんな職階でも出来ないことがあります。私は県教育委員会のトップの人が「何も出来ません」と言っているのを飲みながら聞いたことがあります。でも、どんな職階でも出来ることがあります。仲間を作ってみんなでやりましょう。そして、自分の置かれている基本的な集団でそれが難しい場合、もっと広い範囲に目を向けましょう。

 以上は、『学び合い』において子どもたちに教師が語っていることです。『学び合い』のセオリーは私を含めてみんなの行動のセオリーだと思います。