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2013-10-02

[]幸せ 22:50 幸せ - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 幸せ - 西川純のメモ 幸せ - 西川純のメモ のブックマークコメント

 本日は『学び合い』で学校づくりをしている小学校に行きました。最初に校長先生にありました。『学び合い』を直感で感じ取れる方です。あ、仲間だと思いました。その後、研究主任の方から研究の説明を聞きました。みごとに足して二で割る『学び合い』です。ま、しょうがありません。でも、それでも結果を出したと聞いて、こりゃ、凄い人だと思いました。

 次に、我がゼミのエースがモデル授業を飛び込みでやりました。「はい、どうぞ」の『学び合い』です。足して二で割る『学び合い』が『学び合い』だと思っている方々には刺激的な授業だと思います。が、分かる先生がおられます。

 ゼミ生の授業は見事なものです。飛び込み授業ですので、演じる部分があります。しかし、根幹は一人も見捨てずにです。その言葉には力強さがあります。子どもは素晴らしい、素晴らしすぎる。もっと問題児ふんだんの方が良いのにと思いました。しかし、ちゃんと問題を起こしてくれて、それを諭す授業を実現できました。嬉しい。課題達成してOKを目指しているわけではありません。様々な問題があっても、それを「一人も見捨てずに」という軸で語ることによって、集団をつくるのが『学び合い』です。超満足です。

 その際に、それを見ていた教務主任の方が廊下で私に話しかけてきました。見るからに、賢く、クルーな人です。ゼミ生は「イケメン」と言っていました。後で聞いたら50歳だそうです。その方が、その授業で開眼したと語ってくれました。その言葉には子どもに対する愛が感じられます。そして、語りながら涙を流し始めたのです。正直、そのようなタイプの人では無いと思っていたのでビックリしました。でも、語る言葉によって、本当に一人も見捨てたくないという願いのある方であることが分かりました。あとで聞いたらその先生は特別支援の専門家だそうです。で、分かりました。私が『学び合い』 に拘っている理由と同じです。見捨てらた子どもをどうなるかを、嫌というほど見続けた方なんでしょうね。だから、『学び合い』をみて、自分が見捨ててしまった子どものことを走馬燈のように思い起こしたのでしょう。私と同じです。

 その後の提案授業です。足して二で割る『学び合い』です。と、こ、ろ、が、それで成り立たせてしますのです。先生方の力量の高さが分かります。この先生方が、『学び合い』を分かっていただければ、どれほどのことが出来るかと思いました。

 その後は先生方からの質問を受けました。質問を受ければ、その人の腹が分かります。質問には二種類あります。それは、自分が変わりたくないことを合理化する質問と、疑いをもちつつ(それが当たり前です)、一歩進めるためにはどうしたら良いかという質問です。質問は後者ばかりでした。

 その中でその学校の教頭先生がストンと、私と過激な話を理解していただけました。

 その後、ホテルに帰って、福岡の同志と飲み会です。

 フェイスブックとしかつながっていない方とも繋がれました。

 その飲み会で幸せになりました。

 教員の世界で、出世につながらない飲み会で、ただ仲間を見つけたいと集まる人は何人でしょうか?確実に言えます。福岡県で、一番の参加人数だとお思います。その会で、古くからの同志をからかいながら、遊びました。四十代、五十代の教師の頭をなぜで、ごつんとたたきました。まるで、ゼミ生のようです。

 私は大学教員に過ぎません。でも、日本中に仲間がいます。同志がいます。だから、教え子でも無くても、なでられるし、たたけるし、「バカ」と言えます。そんな人を日本中にいます。この喜びを感じられる、ありがたいことです。

 今から5年前、福岡で『学び合い』を実勢していると私が認識している人は一人だけです。それが、今日、これだけのネットワークが生まれています。何故だろう、と思います。今日の会に参加した小学校の校長の言葉に鍵がルと思います。その校長は、何故、『学び合い』で学校づくりをしようと思ったのかを、その会で語りました(私も知りませんでした)。その話によれば、その校長がある「学び合い」と銘打った会に参加したそうです。その会に、中学校の同志が参加したそうです。そこで、「1時間中、しゃべらかなった子がいるのに、学び合いと言って良いのですか?」と場の空気を読まず、率直に語ったそうです。校長はその言葉から、『学び合い』につながったそうです。

 私の語る言葉には、本当に情けなくなるほど、力がありません。

 でも、皆さんの実践や、それに裏付けられた言葉には力があります。

 お願いです。私には何の力がありません。皆さんの言葉に力があります。巧まなくていいです。若い方も、中堅の方も、ベテランの方も、自分の言葉で語って下さい。

 でも、こんな幸せを感じられる大学教師は多くは無い。と、『学び合い』のセオリーに反して満足しながら眠ります。お休みなさい。