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集団の仕上がり方

 今から約30年弱前の話です。その頃はバリバリの一斉指導をしていました。ま、ザッツエンターテイメントの講義です。その中で初等理科教育法は異質です。基本的に学生がグループをつくり、各グループに与えられたテーマに関して発表する形式です。私はアドバイスをしますが、基本、彼らの主体性に任せていました。

 ある日、学内を歩いていたら、学生から「先生、今日は来なかったですね」と言われました。「え?!」と言った後、総身の血の気が引きました。初等理科教育法の授業をすっぽかしたのです。全学必修の科目で、スケジュールがびっしり決まっています。一度でも抜けると発表できないグループが生じます。だから、血の気が引いたのです。

 恐る恐る、「どうだった?」と聞くと、「みんなで授業を進めたので、問題なく終わりました」と事も無げに言われました。おそらく、そのころは気づいていなかったのですが、後に構築する『学び合い』と同じ考え方で授業を運営したためでしょう。

 本日、オンラインゼミ(https://bit.ly/3lMsgHn)をしました。平常は隔週の土曜日にやるのに、今回は日曜日の開催です。

 色々な仕事が立て込んで没頭したため、オンラインゼミを忘れていました。開催時間を1時間ぐらいたってから、オンラインゼミの時間であるという電子メール(グーグルカレンダーの設定)が来ていることに気づきました。血の気が引きました。慌てて、Zoomに入りました。きっと誰もいないと思っていましたが、全員がいました。そして、活発に議論しているのです。私は平謝りして、次の日(つまり今日)にオンラインゼミを開きました。

 みなさん、大学の授業で教師がこなかったらどうしますか?

 15分ぐらい待って、来なかったら自然解散ですよね。もしくは、教員を探しに研究室に行きますよね。しかし、初等理科教育法の学生さんはいずれもしなかった。オンラインゼミの人達もそうしなかった。電子メールで「西川先生、オンライゼミの時間ですよ」ということをしなかった。おそらく、私が来ないうちに自然発生的に学びが生起し、それに集中したためだと思います。

 オンラインゼミのみなさんも「いい」仕上がり方をし始めているようです。