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2007-07-04

[]大変 22:41 大変 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 大変 - 西川純のメモ 大変 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 本日ゼミで、ある院生さんが「身にしみて分かります。『学び合い』は子どもにとって本当に大変なんです!」とおっしゃっていました。たしか、kineさんの子ども達も言っていた言葉です。そして、同志の多くは、その言葉子どもから言われたのでしょうね。

 私が高校教師だったとき、1時間の授業をするとヘトヘトでした。子ども達からは、私たちは4時間授業があるんだからと言われました(定時制高校は1日4時間です)。でも、子ども達は黙って座っていればいい。いや、彼らの場合は黙って座っていることさえせず、隣の友達と私語に花を咲かせた。ところが私の方は、私語の嵐でも聞けるような大声を張り上げ続け、彼らを引き込むような話術・教材で頭をクルクル回し続けなければならない。まさに格闘技のような1時間です。主体的に授業に臨んでいるのと、受動的に授業に臨んでいるのでは大変さは天と地ほどの差があります。

 『学び合い』では、私が高校教師だったときと同じような苦労を学習者がします。だって、主体的ですから。だから、『学び合い』をしている学習者は大変です。必死になって勉強します。だから、成績も上がりますし、人間関係も良くなります。一方、教師の方は学習者の成長をニコニコ見守り、「期待しているよ」と語ります。

 おそらく、院生さん達は「ずるい」と思っているでしょうね。でもね。その人達現場に行くと、私と同じ事をします。私と同じように「期待しているよ」と子どもに言うんです。だって、それが一番に楽で楽しくて、そして、子どもが一番真剣に勉強することを身をもって知っているから。ね。

[]凄いでしょ! 22:41 凄いでしょ! - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 凄いでしょ! - 西川純のメモ 凄いでしょ! - 西川純のメモ のブックマークコメント

平成2年より学部生を卒研生として指導し始めました。それ以来、平成13年度に学習臨床コースに移動するまでに27人の学生を指導しました。その中で彼らの卒業論文は、理科教育学会7報、生物教育学会2報、科学教育学会4報、環境教育学会2報、教科教育学会1報という学会において学会誌で掲載されています。この数は凄いと思います。だって、平均的な教科教育研究者は一生の間で上記の学会誌のレベル論文は2報も行きません。それを学部の卒研生が上記の成果を出したのですから。でも、手品にはタネがあります。

当時の学生さんは、本当に真剣に卒業研究をやりました。それに応えて、私も徹底的に「指導」しました。研究者の業績の上げ方は、それなりの方法があります。それを分かっている人間だったら、チョロいモンです。上記の学生さんの卒研では私が主導しました。主導している、私が、そのことを理解しているのですから上記のレベルを達するのは当たり前です。私としても、あの学生さんの真剣さを、学術論文レベルに高めたいと願いました。

 今も若い学生さん・院生さんを指導しています。そしてかってと違って、徹頭徹尾『学び合い』で指導しています。そうなると、学生さん・院生さんが何をして、何をしようとしているか分かりません。私の言うことは「期待しているよ」だけです。しかし、それでうまくいっています。本日修士1年の院生さんのゼミをしました。現職院生さんのレベルの高さは言うまでもありません。でも、そりゃ、その人達レベルの高さは、もともとの高さです。若い学生さんもなかなかです。OB各位に自慢します。若い学生さんのお一人は、「子どもはどうやって、勉強する相手を選ぶか」という、難攻不落の我がゼミテーマに挑み始めました。さらに、もう一方は、『学び合い』で学校を変える、というとてつもないテーマに挑み始めました。ハッキリ言って、どうなるか分かりません。でも、二人が素晴らしい研究を達成することに関して、爪のあかほども不安はありません。

 残念ながら、少なからざる上越教育大学大学院の現職院生さんは、おのれの職能形成のレベルにとどまっているし、それすらも捨てています(簡単に言えば、骨休め)。ところが、学校レベルのことをテーマにししようとする学卒院生さんが西川研究室にいる!

 もう一回繰り返します。大学卒業して、西川研究室に正式に所属して、たかが2ヶ月ちょっとなんですよ。凄いでしょ!

 現職の同志各位へ

 この学生達が達成する前に、学校を変えましょうね。早ければ、来年度中に彼らはやります。私は、高らかに自慢しますよ!