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悲しい

 本日、家に帰ったら家内が新聞の切り抜きを「あなたに関係するかも」と渡してくれました。それは上越市の試みで、若手教員が地元の元教員に授業を相談してアドバイスをしてもらうというものです。

 多くの人には美談でしょう。美談と思っているから上越市は頑張って、新聞社は記事にするのでしょう。でも、私は深い、深い、悲しみの中です。

 最初にいいますが、現状において、それが正しい試みであることは認めます。関わる人の善意を否定するものではありません。

 私は頭でっかちの大学院卒の教員として、暴走族だらけの学校で物理教師になりました。当然、なんも成り立ちません。でも、全校十数人の学校の中で5人の先輩から可愛がられました。毎週、最低で1回、多いときは5回、飲み屋や自宅で呑ませてもらいました。多くは私の愚痴を聞いてもらい、アドバイスをもらいました。古手の先生に関しては、私が困っている生徒の兄弟、いや親の特定も含めて教えてもらいました。私が大学や講演会で使うテクニックは、ここで学びました。

 私が子ども達に対峙するときに大事なこと、それは私が気づかなければなりません。先輩のアドバイスは、その手がかりを与えてくれるものです。しかし、先輩が与えてくれて、私がいつも救われたのは、「俺もそうだった」という言葉です。

 ながなが書きましたが、大事なのは職員室の教育力なのです。それを元教員で代替えは出来ません。

 ゼミ生諸君、先輩に可愛がられなさい。それは大学院で学べたでしょ。現職ゼミ生へ。若い人に可愛がられなさい。私は常にそれで生きているでしょ。媚びる必要もありません。大事なときに守ればいい。私がどうしているかを見取りなさい。