■ [ゼミ]今年も言います、厳しいぞ~
学部2年生が所属ゼミを決めるために私の所にも質問に来ました。西川研究室とはどんな研究室かという質問に対して、3つの特徴を述べました。
第一は、教科学習をしている学習者・教師を研究対象としているが、教科には拘らない。
おそらく学習臨床過程分野の先生方は、みな、「教科学習をしている学習者・教師を研究対象としている」という点では一致しており、それが教科の内容を研究対象としている他のコース、他の分野との大きな違いだと思います。しかし、研究対象としているのが特定の教科である先生が多く、私のように拘らず、結果としてゼミ生も多種多様というのは少数派です。
第二は、現職院生、学卒院生、学部生がごちゃごちゃとした集団の中で研究を進めている。
これは、学び合いや異学年を研究している我が研究室の当然の帰結です。このような運営をしている意味は、このメモを読まれている人であればお分かりのことだと思いますので、省略します。しかし、このような運営をしている研究室は本学の全コースでも二、三の研究室だと思います。大多数は、個人指導が中心ですし、せいぜい、院生のゼミと学部生のゼミを分けて運営しているぐらいでしょう。
第三は、ちゃんとやっている。
色々な学生さんから情報収集すると、驚くべき実態が分かります。それによれば、修士1年では講義の履修のみで、実際の研究をしていない研究室はかなり多いようです。卒業研究ともなるともっと凄く、カリキュラム上は3年から卒業研究が始まっているのに、実際に卒業研究をするのは4年の夏休み明け(即ち教員採用試験が終わってから)だそうです。そうなると、夏休み明けに、ちょちょいとアンケート調査をやって、終わり、だそうです。ところが、我が研究室は研究室所属が決定したとたんから卒業研究が始まります。従って、2年の12月、おそくとも1月からは卒業研究が始まります。当たり前ですが、大学院では修士1年から研究を始めています。私にとっては当たり前のことですが、我が研究室のゼミ生が一生懸命に研究をしていると、「大変ね~」と言われるそうです。
以上、1~3の特徴は、単独であっても本学でもまれな特徴です。従って、3つの特徴を兼ね備えているのは我々だけだと思います。
以上のことを質問に来た学生さんに述べた後、「うちは本学でも一番厳しいよ」と説明します。しかし、改めて言わなくても先輩から聞いているようです。「うちは厳しいけど、私が怒鳴ったり、怒ったりするという厳しさではありません。私はいつもニコニコしています。でも、いつの間にかやらざるを得ない状況に追い込まれるから厳しい研究室だと言われます。でも、厳しいけど、多くの得られる研究室だと自負していますし、そのことは先輩に聞いてみればいいよ。逆に言えば、多くを得られる研究室だけど、厳しいよ。卒業研究で何を求めるかは人それぞれだよ。よく考えてから、自分に合う研究室を選びなさい。」と言うことにしています。
ある院生さんからは、「先生、そんなに厳しいぞ~、と言う必要はありませんよ。みんな知っていますよ。厳しいぞ~と言い過ぎると、誤解します。我々がやっていることは、ごく当たり前のこと をやっているだけのことで、だれでも出来るはずです。」と言われたことがあります。私も、実はそう思います。でも、我々が「当たり前と思っていること」をやっている研究室が少なく、多くの研究室がやっていることが当たり前と思っている人にとっては「厳しい」と思われるはずです。だから、ちゃんと説明し、正しく契約を結ぶことが、教師としてフェアーだと思うから、あえてしつこく言うことにします。でも、どんなにしつこく言っても、その私の言葉の意味を正しく捉えてくれる学生さんは毎年います。さて、今年は「宇宙一厳しい、西川研究室」に入りたいという奇特な学生さんはいるでしょうか?