■ [大事なこと]タイプ分け
先のメモにタイプ分けを否定的に書きました。しかし、それを全面否定をするつもりはありません。現象を一般化するためには有効な手段です。我々もやっています。でも、我々の場合は、基本的に個人をタイプ分けするのではなく、集団をタイプ分けします。それも、短期的にではなく最低でも一つの授業全体での様子をもとに分類しますし、数週間から数ヶ月のスパンで分類します。その理由は二つです。
第一に、集団の中・長期の行動のタイプは、個人のタイプ分けより遙かに安定です。あたかも、一つの水分子の動きを予想することは不可能であっても、水分子の集団である水の動きを予想することは可能で、それも簡単です。第二は、先のメモに書いたように、個人のタイプは集団の中では埋没します。集団の中で表出する個人の行動は、その個人の特性ではなく、集団の特性に決定されます。集団の特性は、それを構成する個人の合算とは異なります。そして、我々が興味を持っている対象は、 家庭教師ではなく学校教育なんです。
さすがに、行動主義的な機械論の人は絶滅しているでしょう。また、個人構成主義的な人も、社会構成主義的な立場があることを理解していると思います。しかし、構造論「的」(構造論だとは言いません)に教育を見られる人って少ないんですよね。