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2007-05-11

[]本日 00:28 本日 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 本日 - 西川純のメモ 本日 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 本日は、楽しいことが満載です。朝一番から、夜遅くまで、です。本当に楽しかった。書きたいこと満載ですが、それは明日書くことにします。なぜかといえば、夜11時過ぎに同志からいただいたメールで今は頭がいっぱいです。怒りと、悲しさと、申し訳なさでいっぱいです。

 同志へ。

 悔しいですね。子どもたちに申し訳ないですね。そして、同志を守りきれない今の私が悲しい。でも、この怒りのパワーを形にしましょう。

 体中にアドレナリンが満ち溢れています。闘争本能が全開です。子どもを泣かすやつは、八つ裂きだ! 

[]昨日から本日 06:54 昨日から本日 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 昨日から本日 - 西川純のメモ 昨日から本日 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 京都に来て二人の方と別々に徹底的に語りました。そのお一方に話したことをメモります。

 未来の教室はどんな教室でしょうか?未来といっても私がまだ生きている時代でしょうし、もしかしたら現役大学教師の時代かもしれません。そのころはコンピュータ安価になり、高速ネットが一般的になっています。小学校先生からの就学前指導で親に対して、そのようなネットを使いこなすことが求められるような時代でしょう。

 そのような時代では、現在、教師が子どもたちに発問するようなこと、板書するようなことは、たちどころに検索できるようになっています。そのような時代では、教師と子どもの違いは何でしょう。知識量ではありません。また、経験であったとしても、もし外部の経験者と繋がることが出来れば問題ではありません。そのような時代における能力は、個々人の脳髄に限定された知識ではなく、人類全体の知識・経験を共有できます。

 そのような時代において、教師の仕事は「教える」ではないと思います。目標の設定者、そして評価者であるはずです。

 そうなる前には滑稽なことが起こるでしょう。例えば、教師が板書するたびに子どもから「書き順ちがうよ」と指摘されるでしょう。だって、「教師が間違いやすい書き順」なんているサイトを作る人は現れるでしょうし、子どもたちはそれを検索できるのですから。そうなると教師がやるであろう防衛策の第一は、焚書坑儒のようにネット検索を禁止するでしょう。しかし、そんなことが続けられないのは歴史が示すとおりです。次の防衛策としては、教師もネットを利用しはじめるでしょう。そうなると、教師も「書き順」をネット依存し、子どもネット依存しているわけです。そのようなものを「覚えろ」と求める必然性があるでしょうか?そんな能力は「火打石で火をつける能力」と同じで、一生涯使うこと無い能力です。未来においては学ぶべきものは増えるでしょう。ところが未来において1日は24時間であることには変わりありません。従って選択が起こります。そのような時「書き順」が生き残るかは大いに疑問です。これは現在学校教育で教えていることのすべてに当てはまるものです。

 そのような時代において必要な能力はコミュニケーションだと思います。人という複雑で、かつ、絶対に付き合わねばならない相手と繋がる能力だと思います。そんなことを話しました。

 もう一つの話は、予定調和です。我々の主張していることは、あまりにも予定調和的で胡散臭いと感じられる方もいらっしゃいます。まあ、しょうがありません。クラス全員の成績が上がり、クラス全員の人間関係が良くなり、教師の仕事が楽しくなり・・・と、まるで悪徳不動産屋の広告のようです。でも、事実なのですからしょうがありません。そして、その理由は明確です。『学び合い』において子どもが使っている能力は、古くから使っている能力です。それはサルの時代にまでさかのぼる能力です。つまり、数百万年の熾烈な生存競争の中で選択され、洗練された能力です。課題達成がなされなければ、そのサルの群れは絶滅するでしょう。群れの凝縮力が弱い群れは絶滅するでしょう。個々の固体がストレスを感じるような群れは絶滅するでしょう。それらが無矛盾である特殊解を数百万年かけて成立させてきた、それが我々が子どもに使うことを許していることなんです。それが、どっかのだれかさんが数年、数十年前に開発された方法に負けるわけありません。

 さてさて、夜は尊敬する教師の方と飲みました。本当に「教師だな~」と感じます。中学校から大学に移っても、基本的に「子どもたちのために」頭をくるくると回して、走り回っている様子が感じられます。でも、大学に移って行動範囲が広がってスケールアップしています。本当に、彼を採用した大学は「お得な買い物」をしたと思います。私としては、いつも通りに夢を吹き込んできました。あ~楽しかった。 

 京都駅前のビジネスホテルで朝起きると、お寺の鐘が鳴っていました。さすが、古都だと思いました。

 それでは本日の出張先に行かねば。