■ [ゼミ]練習会
本日は管理職が出張なため、「お召し」がありません。ということで比較的自由です。ということで、「久しぶりに全体ゼミを見ようか」と思いました。行くと、西川久保田研究室の面々(四十人弱)がそろって研究発表をしていました。いつもながら、教師がいなくても、いや、教師がいないからこそ、自主的で活発な議論が生まれていました。
■ [親ばか]進路
昨日、東京大学か東北大学か上越教育大学に行きたい、と息子がのたまいました。夫婦とも爆笑です。家内は、「大学なんて行かなくていいんだよ」と言いました。しかし、3大学に行きたいそうです。爆笑しながら何故だろうと考えました。私の父や、家内の父のような職人になって、はやく稼いでと言ったことは私はありますが、少なくとも我々が大学に行くことを勧めたことは一度もありません。何故なのだろうと考えてみました。
東京大学、東北大学は私と家内の出身地にあります。彼は、上越市が大好きで、それに準じて祖父・祖母のいる東京と仙台が大好きです。
東京大学や東北大学にいって何するのか?、と聞きました。それによれば、彼の大好きな新幹線を一人で作って、お父さんとお母さんを乗せてあげたいと言っていました。かって、東京大学と東北大学には優秀な工学部があるということを言ったような気がします。それが影響したようです。しかし、上越教育大学はどんな学校であるかは認識していないようです。なんだかしらないが、お父さんの行っている大学で、休日にお父さんの研究室に行けば、アニメビデオを見ながらお菓子が食べられる大学のようです。そして、彼が日本で一番好きな上越にある大学です。
■ [嬉しい]仲人
南のある県の大学の先生とひょんなことからネットで知り合い、メールのやりとりをし始めました。その先生から、『学び合い』のライブを見たいと希望されました。八幡小学校を推薦したのですが、とりあえず、同県にないかと聞かれました。そこで、昨年三月後半からメールのやりとりをして、今年度から『学び合い』を試み始められたGさんを紹介しました。
Gさんに、是非、その先生に授業を見せて欲しいと願いました。Gさんは、まだまだ自分なんて・・、と躊躇しました。しかし、Gさんは子どもたちに聞きました。
『子供達に「こういう話があるけどどうする?」と聞いてみました。
「やりたい!」と大きな声で全員が返事していました。
これでやるという事に決まりました。
よろしくお願いします。』
あはははは。
普通の教師だったら、自分一人で考え、一人で結論を出すでしょう。しかし、Gさんは子どもたちに聞きました。相談するに足る相手と子どもたちを評価している証拠です。Gさんは、既に『学び合い』を理解しておられます。
そこで、Gさんを大学の先生に紹介しました。まあ、仲人みたいなものです。このような仲立ちをしたのは、大学の先生のためであるということはもちろんですが、それ以上にGさんのクラスの子どもたちのためになると確信しているからです。
研究室のHPに「学びの殿堂」というコーナーがあります。そこでは、『学び合い』の授業を動画配信しています。その中に佐藤先生がいらっしゃいます。佐藤先生は、昨年度に『学び合い』を本格的に実践されました。もともと「うまい」教え方の出来るベテランの先生です。今まで積み上げた、話術・教材・指導法を捨てるのはかなり辛かったとおっしゃっていました。しかし、それを乗り越え、『学び合い』の実践を積み上げました。昨年度は、何度も何度もゼミ生がおじゃましました。ある時には、他県の校長3人を含む二十数人で参観したこともあります。それによって、ゼミ生(特に学部生)は『学び合い』の本当の姿を学ぶことが出来ました。
しかし、佐藤先生によれば、我々が参観するたびに、その前後で明らかに子ども集団の変容が見られたそうです。ドンドン、パワーアップしたそうです。それは、子どもたちが見られるということで、自分たちの学習に誇りを持ったからだと思います。そして、自分たちの学習が、他の人のためになっていることを実感したからだと思います。そして、参観者からの評価を得たからです。以前、メモりましたが、附属学校の子どもは参観を受けますが、その評価を受けることはないように思います。
以下が我々の評価の例で、ゼミ生が自分のブログに「生!!」というタイトルで昨年にアップしたものです。佐藤先生は、そのブログを子どもたちに教えました。なお、私自身もアップしました(http://manabiai.g.hatena.ne.jp/jun24kawa/20070302)。私はGさんたちの仲人になりました。それは、ご両人の幸せになると確信しているからです。
『昨日は、ゼミの院生さんの小学校で初めて生の学び合いを見た。
いやぁ、おもしろい!!
見ててわくわくした。
子どもってすごいと思った。
あれを見れば、子どもはすんごーく有能だと思うわ。
「日本は戦争に勝ったのに、どうして土地が小さいままなんだ?」
「国外への輸出量が多いのに、どうして米騒動が起きたんだ?」
なーんて、すごいところに着目して勉強してた。
いや、君たちすごいな!!!
次はどんなこと言うの?それについては、どう考えるの??
って、わくわくしながら見てた。
私だったら、どう考えるかなぁとも思いながら。
そして、何よりびっくりしたのは、初めて会う私が近寄ってもノートとかプリントを隠したりしないこと。
見られるのを嫌がる子が一人もいなかったこと。
すごいなぁ。
今までは、どこの学校の授業を参観しても隠す子は必ずいたのに・・・
実習先の子たちだってそうだったのに。
さらに、どの子も生き生きとしてる感じがした。
特に議論が活発なときは、子どもの目が輝いてた。
あまり口出しすることもなく、でも子どもたちの評価をきちんと行ってた。
あんな風に先生が動けば、学び合いってうまく機能するのか~と思った。
そんな学び合いのすばらしさを実感した昨日、偶然にも教採の結果が来た。
学び合いができる!!!
あぁ、楽しみ♪
■ [嬉しい]同志
残念ながら、教育研究をしている大学の教師の評判はあまり芳しくありません。それが証拠に、現場の研修会でよばれる教師は特定のごく一部です。まあ、官製研修での「つまならない、眠たい」講演を聴かされたことが何度もありますから。さらに、研究調査の依頼が来て、データだけ取って、その学校に還元しないという大罪を繰り返しています。
このブログを見ている現場の先生に、是非、知っていただきたい。そんな先生は大学教師の一部でしかありません。もちろん、現場の先生方を唸らせるだけの先生ばかりとは申しませんが、教育に対して高い志を持ち、何よりも常識人である先生が過半数です。が、一般にはそう思われていない。
そんな状態ですから、研究協力を受けるのは、なかなか難しいのは現実です。「大学の先生様」という丁重な扱いの裏にある、「また、変なことするんじゃないかな~」という猜疑心を対応していただく、校長先生、教務主任の先生に感じることも少なくありません。まあ、しょうがない。そう思われてもしょうがない、大罪を大学教師はしていたのですから。
しかし、私が『学び合い』の同志にお願いするとき、そのような不安は全くありません。だって同志だから。本日の「仲人」というメモに書いたとおり、私はGさんに授業公開をお願いしました。それに関して、いつも通りに、不安を感じずにです。でも、ふと気づきました。私はGさんと直接あったことが一度もない。メールのやりとりぐらいです。そして、そのやりとりさえも3ヶ月にも満ちません。そのGさんにお願いすることに、不安はありませんでした。二年間、同じ釜の飯を食ったゼミOBにお願いすると同じように不安はなかったんです。このことに気づいて、じ~んとなりました。理由はハッキリしています。だって、私はGさんを「同志」だと思っているんですから。