■ [大事なこと]求めること
私はクラスメートと人間関係を結ぶのが不得意でした。だから、「好きなもの同士で班を組んで」という教師の言葉ほど恐ろしいものはありませんでした。
『学び合い』の同志も間違いやすい点は、我々が子どもたちに求めるのは「関わること」ではありません、ましてや「仲良く」することではありません。我々が求めることは「全員が課題を達成する」ことなんです。このことは私のように人間関係を結ぶことが不得意な子どもがいるときは特に重要です。私のような子どもがいる場合は、「関わること」、「仲良く」することを求めては絶対にいけません。そのような子どもがいるクラスにおいては、「全員が課題を達成すること」のみを求めてください。そして、自分の課題が達成するのに一人がいいならば、一人で課題に取り組むことは良いことだと意識的に肯定してください。ただし、みんなが分かるために他のメンバーをサポートする義務はあることも語ってください。ある子ども(多くの場合「その子」である場合があります)が課題を達成できない場合、「その子」が悪いのではなくクラス全員の問題であることを語ってください。
『学び合い』においては「その子」を忘れて、集団に語ることによって解決します。しかし、アスペルガーなどの人との関わりが不得意な場合は、「その子」に対応する必要があります(詳しくは手引き書にあります)。その度合いは、休み時間における「その子」の様子によって決まります。もし、その子が数人の子どもと関わっているならば、大して問題がないでしょう。殆ど、「その子」を意識した指導も必要ではなく、問題が解決するまでの時間は短いです。しかし、休み時間に関わることはなく、図書館などに避難している場合は、「その子」を意識した指導が必要で、問題が解決するまでの時間はかかることを覚悟しなければなりません。そのような場合は、保護者の方に早い段階に方針を伝える必要があります。そうでないと、子どもから誤った情報が伝えられる危険性があります。
保護者には、「その子」を守ろうとする気持ちを伝えなければなりません(これは、一番大事です)。そして、その子の平常の授業の様子、休み時間の様子を語ります。そして、そのままでは年齢が進み中学校・高校に進んだ場合、重篤な問題が生ずることを語り、早い段階で解決すべきことを語りましょう。そして『学び合い』の考え方と、今後の展開を説明し協力が必要であることを語りましょう。
以上の理解しつつ、その場、その人に合わせて対応しなければなりません。
追伸 本当は、もっといい解決策があります。それは保護者集団が学び合う集団になることです。そうすれば、その保護者の方を集団の中に取り込みます。そして、教師が伝えられないところを伝えてもらえます。