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2008-07-29

[]幼長の序 17:29 幼長の序 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 幼長の序 - 西川純のメモ 幼長の序 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 よく苦労した人は人に優しい、と言いますが、あれは嘘です。苦労した人には二種類います。もちろん、「俺は苦労したから、おまえにはそういうことはさせないよ」という人もいますが、「俺も苦労したんだから、おまえもそうするのが当たり前だ」という人もいます。たいていの人の場合は、「苦労はためになるよ」なんていうことを言い訳につけるかも知れませんね。私の二十数年お仕えしたボスのT先生は、前者の典型的な方です。T先生の場合は、「俺は苦労したから、おまえにはそういうことはさせないよ」なんていうことは言いません。ただ、知らぬ間に、私は苦労しない状況に置かれているのです。私もいつの間にかT先生に初めて会った年齢を超え、T先生が学内でもキーパーソンになりはじめた年齢になりました。この頃、T先生の生き方は、とても「得」な生き方であることを強く感じます。逆に、「俺も苦労したんだから、おまえもそうするのが当たり前だ」と言うような人は、非常にそんな生き方であることが、よ~~っく分かります。

 私が大学院生だったとき、鼻っ柱の強いある大学教員の先生と話したとき、「自分より年上のやつらなんて気にすることはない。そんなのは先に退職してしまうんだから」と言い放っていたのを衝撃を受けながら聞いた思い出があります。だって、その先生が「自分より年上のやつら」と言っていた先生方は、院生の私にとっては雲上人で、とてつもない人だと恐れていた人だからです。でも、よ~~っく分かります。

 私が大学院生時代、そして助手時代、教授にとって私は「へ」みたいな存在です。敬意を払う必要性も、配慮をする必要性もない人でしょう。しかし、5年たち、10年たてば私も、それなりの実績を積み上げ、ポジションをあげます。ところが、その当時の教授(特に若い人を「へ」とも思ってない先生)は、同じ教授のままです。私との差は小さくなります。それが不快に思う人の中には、私を潰そうと思う人もいます。ところが、潰そうとする教授がいる一方、守ろうという教授(たとえばT先生)もいます。そして、私自身がそれなりの実績を上げれば、潰しきれなくなります。結局、潰そうと全力を尽くそうとも、私を1、2年程度足踏みさせるぐらいのことしかできません。結局、私も教授になれました。それも上越教育大学で開学以来の最年少で教授になれました。私は受けた恩も、仇も決して忘れません。もちろん、「仕返し」というのはする側にとってもエネルギーを損失するのでしません。しかし、決して「仇」は忘れません。したがって、普通だったらするであろう「お節介」をしません。じっと見ているだけです。一方、恩を受けた方に対しては、常に頭をつかって「お節介」をします(まあ、半数以上は本当にお節介でしょうが・・)。

 ということで、私は若い方が「腹の中で何を考えているか」分かっています。まあ、私ほど腹黒い人は少ないかも知れませんが、傾向が見えます。だって、私の過去を思い出せば当然です。だから、私は若い方、特に能力のある若い方に対して、誠意ともって対応します。だって、本当に怖いんですから。本日も、全力を尽くしました。ということで、若い方へ。私がじじーになった時にいじめないでね。お、ね、が、い

追伸 言うまでもなく、上記は『学び合い』が成立していない、日本中の多くの職場における私の立ち回り方です。『学び合い』が成立していたら、私が得意なこと以外は、みんなで解決しちゃうから、いいんですよね。

[]違い 17:29 違い - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 違い - 西川純のメモ 違い - 西川純のメモ のブックマークコメント

 本日、ある方より以下のメールが来ました。はじめて『学び合い』を知った方としては当然の疑問です。

 『○中で研修主任をしている○○といいます。本校では●●中の実践を参考に教科研修ではなく学年研修をおこなっています。●●はS先生が深く関わっていますが、学び合いや学びの場の設定など西川先生とS先生の考え方は似ていると感じます。西川先生はS先生と何かつながりはあるのでしょうか?違いや共通点について教えていただけないでしょうか?』

 同志の方には了解済みのことでしょうが、最初の方々のために返信を可視化します。

『我々の『学び合い』(意識して二重括弧を使っています)に興味を持っていただき、ありがとうございます。さて、結論から言いますと、我々の『学び合い』は「学び合い」という言葉を使っていますが、S先生の学び合いとも、I市の学び合いとも、その他、全ての学び合いとも全く違います。方法論のレベルではなく、考え方の違いです。詳しくは署名のHPの「学び合いを学ぶコーナー」をご参照下さい。各種の資料・動画を公開しております。

S先生の学び合いも、I市の学び合いも、一斉指導です。基本的には、教師が細かいところまで指示をします。たとえば、「机の位置をコの字にする」、「最初の5分間程度は自学で、その後、学び合いをさせる」、「子ども同士の会話を教師が紡ぐ」というものです。ところが、我々はそのような方法レベルのことは、指定しません。何故かといえば、一人一人の多様性があり、一人の指示や指導ではそれらに対応しきれない、と考えるからです。我々は、そのような方法のレベルのことは、子ども一人一人が、そして子ども集団が折り合いをつけて、自分の、自分たちの頭で考えるべきだと思っています。教師がすべきことは、そんな机の位置を決めることではなく、何のために学ぶのかをちゃんと語り、みんなでみんなが出来るようになる子ども集団を作り上げることだと考えています。まあ、ちょいと抽象的なので、象徴的なことを語りましょう。

我々の『学び合い』では、教師がクラス全体に語る時間は最大でも5分間程度です。たいていは「教科書○ページから○ページまでを全員でやること」ぐらいのやるべき課題のことを語って終わります。さらに言えば、そのようなことを積み上げていくと、1単元ぐらいを任せることが出来ます。さらに言えば、最高のクラスが作り上げられると、小学校高学年だったら指導要領の原文を子どもたちに与え、「さあどうぞ」で終わりです。それで、最低点(平均点ではありません)が80点以上で、人間関係の良好な集団が形成されます。

信じられないとは思いますが、ちゃんとした理論と実践があります。さらに、信じられなければ、現実のクラスをご覧下さい。見れば、私の書いていることはごく当然であることがおわかりになると思います。

が、今の段階では、分からないだらけのことだと思います。どんどんメールしてください。誠意を持って返信をいたします。』

[]鳥取 16:51 鳥取 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 鳥取 - 西川純のメモ 鳥取 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 本日は午前中は大阪で会議があり、今は鳥取にいます。明日、明後日は鳥取のセンターで講演をします。それにしても、大阪も鳥取も涼しい。びっくりです。