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2009-08-05

[]偏見 20:42 偏見 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 偏見 - 西川純のメモ 偏見 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 偏見は無知から生じます。関わっているに、全方位で駄目ということはほとんど無いと思います。だから、偏見があったら関わらせればいい(その最高の環境が『学び合い』ですが)。『学び合い』だと異学年、それも特別支援学級のクラスとも、ごくごく普通に定常的に出来ます。

 とても印象的なのは、特別支援学級と一緒に教科学習をすると、健常児の子どもが特別支援学級の課題をうらやましいと思う子が生まれます。そして、一緒にやる子が生まれます。それが、その一緒にやる子、そして、その子を見守る子どもの偏見を解消します。

 と分かってます。が

 本日の朝風呂、ホテルの大浴場に浸かっていると、若い兄ちゃんが風呂に入ってきます。前をタオルで隠すこともなく、ニコニコと入ってきます。その後、その父親(まあ、私よりも年上とおぼしき)が入ってきます。その若い兄ちゃんが座ると、その父親がシャンプーで若い兄ちゃんの頭を洗っているのです。正直、「え??」と思いました。まあ、高校生とは断言できませんが、体の特徴は大人の兆候をはっきりと示しています。そこで、ジッっと観察していると、何らかの障害があるのかも知れないと思い始めました。でも、その二人の親子の関係が、羨ましくなりました。なんか、とっても仲良いのです。兄ちゃんは父親を信頼しきっているし、父親もごく普通にしています。おそらく、私と息子は、その年代になれば、私はシャンプーはしません。でも、それで良いと思います。

 違うけど、相手も、自分もそれで良いと思う。いろいろ。置かれた状況の中で、それぞれが幸せになれる。それを感じました。そこで、思い出しました。そうだ、特別支援の子どもと健常児の子どもが一緒に『学び合い』をすると、みんながこれを感じるのだと分かりました。

[]『学び合い』の会の開き方(最小限) 16:35 『学び合い』の会の開き方(最小限) - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 『学び合い』の会の開き方(最小限) - 西川純のメモ 『学び合い』の会の開き方(最小限) - 西川純のメモ のブックマークコメント

 『学び合い』の会の開き方をちゃんとメモらなかったかも知れませんので、メモります。

 『学び合い』の会をやるための、最少人数の主催者は3人です。それは「発表者」、「司会」、「受付」です。たった3人でやれます。で、その3人が順繰りに役割を帰れば3人分の発表が出来ます。

 発表の内容は、ようは自分のクラスの子どもの自慢をすれば良いんです。カラオケと同じで気分良く話せますよ。

 会場は、自分の勤務校、公共施設の1室、そんなのを活用すれば、殆どタダです。

 資料は各自が印刷して持ち寄るという形式にします。足りなければ、その場で印刷すればいい。

 案内文の発送は、教育事務所の学校ポストを使えば郵送費がかかりません。

 100円ショップで紙コップと紙皿を買い、2Lペットボトルのお茶を2こ、お茶菓子を少しを買います。

 地元の後援をとっておくと、教員の方は出やすくなります。最初の手続きは手間ですが、一度もらえれば、次年度以降は簡単です。取り方に関しては、『学び合い』の会を主催している人に聞けば教えてくれます。

 参加者がこなくたって、3人が互いに自慢し合うだけでも、かなり楽しいですよ。それに、県庁所在地で開催し、ちゃんとブログ等で宣伝すれば、数十人は来ます。それだけは潜在的なニーズはありますから。

 と考えれば、気楽でしょ?

[]『学び合い』の会の開き方(発展版) 16:35 『学び合い』の会の開き方(発展版) - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 『学び合い』の会の開き方(発展版) - 西川純のメモ 『学び合い』の会の開き方(発展版) - 西川純のメモ のブックマークコメント

 会を発展させるには、まず、金が必要です。

 世の中には助成団体があるものです(ググるとそのデータベースがヒットします)。そこを探すのです。また地元の大企業に広告協賛を頼むのです。どんなところにお願いすればいいか、それを考えるのが必要です。私が、地方都市の上越で学会の全国大会やったときでも、それだけで数十万円の収入が得られます。このあたりは泥臭いので、私に直接聞けばノウハウを伝授しましょう。

 もし、県外から一定人数が宿泊することが期待できる場合、その年のコンベンションビューローに問い合わせると助成を受けられます。詳しくは地元の観光課に問い合わせて下さい。

 参加費はちゃんと設定しましょう。参加される方は、半日、いや1日をかけてこられるのです。参加費をディスカウントしたとしても、参加数が増加することはそれほど期待できません。むしろ、それだけの時間をかけたことに値する会にする方が望ましいと思います。

 ただし、学生さんの場合は、この参加費が参加の可否に直結します。学生さんは自由な時間はあるが、金はないというのが相場ですから。従って、学生さんをターゲットとする場合は、学生割引等は考える必要があります。その場合は、学生さんのネットワークを介しての宣伝が必須です。大学にポスターを貼っても、あまり期待できません。どうやるかは、教育実習に来た学生さんか、後輩が大学に残っているような若い先生に相談しましょう。

 参加者が多いと、スケールメリットが期待できます。その場合、学校への一律の案内も必要ですが、口コミやリピーターがもっとも効率がよいことをお忘れ無く。そして、実は我々の同志は教員ばかりではなく、子ども、保護者、そして企業の人がいることを忘れずに。

 参加者を増やすには主催者を増やすことです。実は手伝っても良いと思っている人は少なくないはずです。だって、『学び合い』を分かっているのですから、関わることのメリットは分かっていますので。どんどん、巻き込みましょう!

 最後に、大事なのは、会は精神論だけでは動きません。金と人的ネットワークが必要です。どん欲にやらねばなりません。それが成功すれば、安心して冒険も出来るのです。ただし、それを形骸化した組織にしてしまえば、一時的にはうまくいくかも知れませんが、世代交代がうまくいかず沈滞します。あくまでも、ゴチャゴチャと各自のアイディアで動ける組織でやった方が良いと思います。

[]宮仕え 06:47 宮仕え - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 宮仕え - 西川純のメモ 宮仕え - 西川純のメモ のブックマークコメント

 ある日、ある時、ある人と話しました。その方は、「うちの地域は授業の流し方、また、評価方法に関してカッチリと決められているので、『学び合い』はやりづらい」と聞きました。そこで、その決められている内容を聞きましたが、笑い出しました。だって、そんなことをまともにやり続けられるわけ無いからです。そこで、笑いながら「で、本当に額面通りやっているの?」と聞くと、こともなげに「いいえ」とのことです。大笑いです。そこで「じゃ、問題ないじゃん」と言いました。

 500年前の室町時代から「すまじきものは宮仕え」です。でも、その時代から、それを生き抜いた末端の「平」がいました。そして、宮仕えの中で生き抜いたのです。

 お上のお達しには、「絶対守らなければならないこと」、「そこそこ形だけ整えたらOKなこと」、「明らかに反抗しなければOKなこと(つまり積極的にしなくていいこと)」が常にあります。そして、「絶対守らなければならないこと」は比較的まれです。かりに、「絶対守らなければならないこと」であったとしても、それから5年もたてば「そこそこ形だけ整えたらOKなこと」になるものです。

 では教師が絶対に守らなければならない責務は何か?そりゃ「子どもたち全員に安心できる学習の場を与え、その中で指導要領で規定している最低の学力保証をする」です。これに関しては『学び合い』が最高です。特に「本当に全員」を達成できるとしたら、そりゃ『学び合い』しかない。

 そこさえ押さえれば、そこそこ形を整えればOKです。そのあたりのことを今月中にまとめて別のタイプの手引き書をHPにアップしたいと思っています。

 全国の同志に常に言っていること。「出来ないことはあります。でも、出来ることもあります。出来ることをやり続けることによって、出来ないと思っていたことが出来るようになります。とにかく、出来ることをやりましょう」です。

[]教材準備 06:47 教材準備 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 教材準備 - 西川純のメモ 教材準備 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 この前の福岡での講演のパワーポイントのプレゼン作成にどれぐらいかかったか?と聞かれたので、「25分ぐらい(つまり30分はかからなかった)」と応えたらビックリされました。でも、それぐらいで出来る理由があります。

 まず、基本構想です。つまり、その講演会に来られる方が求めていること、そして、自分が語れることを考えます。今回の講演会の場合は、人権に関して意識の高い方々であり、かつ、『学び合い』は殆どご存じない方です。

 人権に関して私が言いたいことは、「人権は大事だということ、人に優しく、ということは誰でも知っている。だから、改めて教えることはほとんど無い。むしろ重要なのは、だれを人権を持つ「人」ととらえるかの方が大事だ。そして、そこに教育の価値がある。」です。そして、そのことに関して凄い効果のある異学年の『学び合い』を紹介しよう、と決まりました。この間は5分程度です。あとはプレゼン作りです。

 私のプレゼンはローテクニックで、テキストをベタに貼り付けただけです。そして1枚のプレゼンに書くことは、殆どの場合はメモ書き程度の数十字程度です。だって、それ以上入れれば、聴衆の方にとっては読みづらくなりますから。そして、今回のプレゼンは24枚です。

 あとはメモ書き程度のものを提示しつつ、私の頭の中にある具体的事例を話せば良いだけのことです。

 これって、教職経験十年以上の人だったら、毎日やっていることですよね。あはははは

 つまり、当たり前のことをやっているだけのことです。

 ただ、プレゼンの正否を握っているのは、フォントや特殊効果ではなく、基本的なコンセプトだと思っています。今回の場合は、「人権は大事だということ、人に優しく、ということは誰でも知っている。だから、改めて教えることはほとんど無い。むしろ重要なのは、だれを人権を持つ「人」ととらえるかの方が大事だ。そして、そこに教育の価値がある。」という部分です。それは『学び合い』を通して、いろいろな同志から教えていただいたことです。