■ [大事なこと]フィンランド
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フィンランドに視察に行った同志と話しました。凄く納得しました。
本を読む限り、『学び合い』に近いものがあると感じていました。が、誤解でした。日本における様々な実践と『学び合い』との決定的な違いと同じで、子ども観が違います。子どもを有能とは考えていないそうです。それがために、教員を高学歴化し、補おうとしているそうです。
子どもを個々で見て、駄目な子どもに目が奪われれば、そうなるのは当然です。しかし、子どもを有機的な集団とすれば、彼らはかなり有能です。少なくとも、時間と手間をかけられるキャパは一人の教師の数十倍です。小学校一年であったとしても。それが分からないのだと思います。
■ [大事なこと]高学歴
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私はフィンラドとは別に、日本の教員養成は高学歴化すべきだと思います。理由は、教師の専門教育が殆どなされていない現状です。それは教員養成系大学以外の教員免許状取得に端的に表れます。
私は筑波大学の生物学類に入学しました。教師になろうという希望は、これっぱかりもありませんでした。しかし、同級生がみんな教員免許取得の科目を履修しているので、なんとなく履修していました。その科目を履修することが目的ではなく、とりあえず同級生のそばにいることを求めていたのです。そして、教育実習以外は、なんとなく科目を履修し、なんとなく免許を取得しました。そして、なにがなんだか分からないうちに学校現場に入り、そこで教師としての勉強をしました。
でも、医者に置き換えて下さい。例えば経済学部に学んでいる学生が、十数の科目を履修し医師免許を取得でき、とりあえず病院に行って実地経験で医師としての勉強をする。こんな医者に我が子を預けたいと思いますか?私は嫌だ。さらに、昔は学校の教育力が高かった、でも、今は先輩教師に余裕が無く、見捨てられる若手が多いのです。
でも、だからといって戦前の師範大学による免許制度を求めているわけではありません。私のような教師も必要だと思います。でも、徹底的に教師の専門教育を受けた教師も必要です。多様な教員集団が、もっとも安定していると思います。だから、一般教育的な大学の学部(これは教員養成系大学でも近いものがあります)の上に、教師の専門教育を施す大学院が必要だと思うのです。
そして、昔の私のような学部・大学院で他の領域を学んだ人と、大学院で教師の専門教育を受けた人を免許を変えて、採用試験は別にするのです。それぞれの都道府県は、それぞれの考えに従って、採用枠を設定すればいい。つまり、現在教科別に採用しているのと同じ考え方です。