■ [大事なこと]テスト
『学び合い』のやっていることは低級で、教育はもっとレベルの高いことだ、と言われる方がいます。大抵は、人格の完成レベルのことでは考えておらず、教科レベルのことをおっしゃっている方です。
大抵は、言っても分からないし、感情的になる方が多いので聞き流します。が、『学び合い』を学ぼうとしている方、そして、しつこく議論をふっかける人に関しては以下のように聞きます。
では、テストではどんな問題を出しますか?と。
大抵は、その方の言っているような凄いことは評価していません。糞くだらないレベルのものが大多数です。ですので、「そのことが本当に大事ならば、それが達成したか否かはとても気になることですよね?でも、実際の評価では、それをしていませんよね?ということは、それほど達成したいとは思っていないことですよね?」と言います。
でも、「いや、評価している」という人がいます。大抵は嘘です(どのように評価しますか?と聞けば、直ぐにばれます)。が、承ります。そして「それを達成している子どもは何パーセントですか?」と聞きます(※)。そうすると、ま、2割以下です。そこで「それを100%に出来ますか?」と聞くと、「無理」とおっしゃいます。そうすれば、「ごく一部の子どもの達成のために、大多数の子が学べないものを教える意味があるでしょうか?」と聞きます。
ま、そこで「出来なくても、学べることは多い」と抗弁する人には、「では、それが学べたと評価はしていますか?」と一段前の質問をします。
以上の過程で、論理的には論破可能です。が、その以前に、感情的になりますね。が、もっとも手に負えないのは、※の返答が「みんな出来る」という人です。私の過去に一人だけいました。とてつもなく無神経な人です。こうなると、「それは素晴らしいですね。でも、あなたのような人は希ですよ」と話を切ります。
■ [大事なこと]群馬の会
昨日は群馬の会に参加しました。日本で最初に『学び合い』で学校づくりをしたのは群馬県の小学校です。その関係で日本でもっと最初に『学び合い』の会を開いたところの一つです。群馬の会によってどれだけのことが起こったか分かりません。例えば、群馬の会に参加したことが宮城の会を開くきっかけとなり、それが東京の会を開くきっかけになり、それが神奈川の会を開くきっかけになったのです。それぞれの会から波及したことを考えれば、群馬の会が果たした役割ははかり知れません。
現在、他地域の変化の速度に比べれば、おそらく群馬で頑張っている同志にとっては忸怩たるものはあるでしょう。しかし、変化の見えない時にやり続けていることが次に繋がります。全国的な動きの中で次の段階は来ます。楽しみです。
■ [大事なこと]ぶれていないことが分かった。
私の今回の講演は、いわゆる一般受けする内容ではありません。『学び合い』のコアメンバーに向けてです。というのは、今まで私がしつこく拘っていたことと一見反するようなことをこれからするからです。その意図が伝わらないと、私が変質した、ぶれた、と誤解する方がいると思います。しかし、今までを踏まえ、これから5年を考えた時に何が必要かを考えた結果です。
心はぶれていません。方法論を増やしただけです。そして、コアの部分では、それらの方法論に矛盾が生じないような配慮をしています。ということを伝えたかったのです。幸い、ある方から、「最近のブログを読んでいると、ぶれているのかなと思っていましたが、ぶれていないことが分かりました」と言っていただきました。
■ [大事なこと]ぶれていない
3人の同志の方が発表しました。それぞれの現場の状況の中でぶれそうになりながら、ぶれずにいる姿がよく分かります。それは『学び合い』の目指すものを分かっているからだと思います。
『学び合い』の実践では、その殆どは定式化されるテクニックです。テクニックレベルに留まっていると、ちょっとずつずれてしまう。自分がずれていることに気づけません。しかし、『学び合い』の目指すものを分かっていると自分がずれていることに気づきます。発表された同志の方はそれが見えている。だからぶれていないと思いました。
■ [大事なこと]保護者・子ども
テレビ業界には「子どもと動物には勝てない」という言葉があるそうです。群馬の会の特徴は、保護者と子どもの声を中心にしているというところです。保護者と子どもの発表を聞いていると、「こりゃ、勝てないわ~」と脱帽します。
全国の『学び合い』の同志の方へ。保護者・子どもの参加を促し、彼らの声を生かした会を創ると良いですよ。
■ [大事なこと]戦略
講演では、私の考えている戦略の半分を語りました。でも、時間の関係で語れない半分がありました。そこのところを講演後にFさんから聞かれたので話しました。
講演では、教育改革のコアメンバーに伝える戦略とは、日本中の大多数の人に伝える戦略は違うことを話しました。そして、日本中の大多数の人に伝えるにはどうしたらいいか、そして、私はそのためにどのようなことをするつもりかを伝えました。
が、実は教育改革のコアメンバーに伝える戦略も必要なのです。でも、そういう方の多くは既に何らかの方向性で教育改革のために汗を流しています。日本には数多くの教育研修団体があります。それらの中では、教育改革のコアメンバーになっている人を奪い合っている状態です。
こういう状態になったら、差別化(特殊化)か価格競争で勝負するしかないというのが経営学の定説です。教育で言えば、ある教科やある活動に特化するのです。こう書けば、あ~あそこってそれだなと思える団体はあると思います。一方、学力向上や生徒指導に関して「簡単にできる」、「高いレベルまでいける」のような同じ指標で自己アピールします。限られたパイ(つまり、教育改革のコアメンバー)を奪い合うのですから、血の雨が降ります。そして、血の雨が降る割りには益が少ない。
こうなった時には、自身の他者にはない独自の価値を見出し、その意味をアピールするという戦略があります。帰りの途中にゼミ生に説明した例としては100円寿司があります。100円寿司と寿司屋は似て非なる店です。たとえば、100円寿司に行こうか寿司屋にいこうかと悩む人はまずいません。求めるものが全く違うからです。子どもずれの家族が食べに行こうという場合は、寿司屋に行こうとは思わないでしょう。逆に寿司を食べながら商談をしようとする人が100円寿司に行こうとは思わないでしょう。100円寿司はあらたなニーズを提案し、定着したのです。これって意外に多いですよ。牛丼チェーン、1000円床屋などがあります。
ゼミ生に「世にある数多くの教員研修団体と『学び合い』との決定的な違いは何か?」と聞きました。しかし、分かりません。そこで、「じゃあ、今、西川ゼミがやっていることを思い起こしてみな」とヒントを出しました。さすがゼミ生です。学部3年のゼミ生が分かりました。
世にある数多くの教員研修団体の圧倒的大多数は、自分のクラスの授業向上を目指しています。主任レベルの人の場合、自分の学校の若手の授業向上を目指している場合もあるでしょう。が、クラスレベルです。特殊化した団体だと、小学校の全科の中のある一つの教科に限られています。でしょ?が、『学び合い』は教科学習活動を通して、学校づくりを実現できます。さらに、教科学習活動を通じて、地域コミュニティの再生を実現できます。このレベルのニーズを提案し、定着したら、世にある数多くの教員研修団体とは別種になります。従って、戦う必要がないのです。
ということを考えて、こつこつと積み上げているのだよ、とゼミ生に語りました。
ドラッカーは企業とは「顧客の創造」だと看破しています。授業向上のレベルで戦うのではなく、学校創造・地域創造のレベルで教科学習の価値を生み出し顧客を創造しようとしているのです。そして、最初の顧客はへき地小規模校と被災地だと思っています。
■ [お誘い]茨城の会
『学び合い』の会が無い県が少なくなっています。関東で無い県は栃木と茨城でした。が、茨城でも開かれます。2月19日の土浦です。http://bit.ly/wJLWB2