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2012-06-16

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 「どんなクラスもうまくいく! 『学び合い』ステップアップ」(学陽書房)のアマゾンの予約販売が始まりました。http://goo.gl/g9VKh

 私は約千人の人に『学び合い』の手ほどきをしました。そこで聞かれること、私がアドバイスすることはほぼ限られています。その最も典型的なものをこの本に書きました。この本の通りやれば、『学び合い』を始められます。また、数ヶ月後にあるリバウンドを速やかに乗り越えられます。そして、保護者や同僚とどのように折り合いをつけるかも書いてあります。

 今、『学び合い』が知られるようになりました。しかし、興味があるが、「●●して下さい。さあどうぞ」で授業しろと言われても躊躇するのが当然です。そこで、従来の授業と『学び合い』を足して2で割る方法で『学び合い』に入る方が少なくありません。しかし、私の手ほどきの経験では、一見簡単そうな導入の仕方なのですが、実はその方法では『学び合い』を学び取ることに失敗する危険性が高いのです。足して二で割った『学び合い』はいつのまにか、『学び合い』風の従来指導型に戻る危険性が高い。

 足して二で割った『学び合い』を『学び合い』に進ませることが出来るのは、よほど意志強固な方だけです。例えてみれば、禁煙の方法は「ある時より一本も吸わない」という方法しかありません。現在、「一日3箱」を「一日2箱」、「一日1箱」、「一日十本」・・・・という方法で段階的に少なくするのはよほど意志強固な方だけです。何故なら、常にタバコの香りにさらされているのですから。

しかし、いきなり禁煙、いきなりフルの『学び合い』と言われてもきついのは当然です。私が昨年度の手ほどきからやっているのは、別の段階的導入です。その方法とは、まず、イベント的に『学び合い』にトライします。いくつかのポイントを押さえれば、イベント的な『学び合い』でも、子どもたちの変容は見とれます。そこから『学び合い』の可能性に気づくことが出来ます。

 次に週1回の『学び合い』です。週1回だったら「さあどうぞ」の『学び合い』をやってみようという気持ちになれる人はグッと増えます。何故なら、他の時間で帳尻あわせが出来ると思えるからです。週1回だったら、人間関係づくり、クラスづくりの時間と割り切れると思います。週1回でも、人間関係の向上はかなり期待できます。そこで、『学び合い』の課題づくりや声がけのノウハウを学び、自分で『学び合い』を実践できるという自信を獲得します。小学校だったら、算数で初めてみて、実践できるという自信を持てば、社会や理科や体育等でやってみようと思えると思います。中高だったら、他の学年でもやってみようと思えると思います。また、週1回であれば、同僚や上司や保護者にも、人間関係のエクササイズだと説明しやすいと思います。

 週1回の『学び合い』は人間関係の向上には有効ですが、成績向上の効果は限定的です。成績が向上するには、子どもたちが成績を向上する責任を背負っていると思わなければならないからです。そう思わせるには、週1回を2回、3回、そして全部、に移行しなければなりません。これは数を増やせば、成績の向上という結果に結びつくことが出来ます。その結果を基に、同僚や上司や保護者にも説明しやすいと思います。

 もちろん、『学び合い』は「えい、や」で始めた方が効果が高いのは確かです。今度の本に書いてあることを、「そのまんま」やれば、いきなり全部やっても成功すると思います。そうできる人はそうすることを勧めます。しかし、同僚や上司や保護者との関係で段階的にせざるを得ない人もいるでしょう。また、自分は直ぐに全部をフルの『学び合い』で実践したが、周りの人に伝えるにはどうしたらいいかを悩んでいる人もいるでしょう。特に、学校レベルで『学び合い』を実践したいと思っている管理職や主任の方も少なくないと思います。

 スタートブックをつくった学陽書房の山本さんとの二人三脚でつくった自信作です。7月19日発売予定です。