■ [大事なこと]発刊
全学必修科目で授業を担当した頃、9月14日に授業をする際の「まくら」の定番は、「本日、偉大なお方がお生まれになられました。そのお方は、皆さんは全員知っているほど有名なお方です。どなたでしょう?」と聞きます。学生さんは分かりません。そこで、「それは私です」と言うのが落ちです。
本日、55歳になりました。四捨五入で60歳です。三十歳からは怒濤のように過ぎたようですが、その頃から充実した日々を過ごさせていただいております。
その日にアナウンスです。明治図書から「クラスと学校が幸せになる『学び合い』入門<会話形式でわかる『学び合い』テクニック>」を9月26日に発刊します。
http://www.meijitosho.co.jp/detail/4-18-166110-6
アマゾンさんはまだアップしていません。また、発刊当初は「入荷待ち」となると思いますので、いち早く手に入れたいと思われる方は、お近くの書店に9月26日に発刊予定であることを言って注文することをお勧めします。
この本は私の生涯で書ける、最も読みやすい『学び合い』の入門書になるのではないかと思います。理由は二つです。
第一は、本の大部分は、ベテラン教師という立ち位置の「西川」という教師と、その学校の若手教師との会話という設定で書いています。ま、山本周五郎という人の小説は会話中心ですが、そんな小説に近いものです。
この本の初稿は6日間で書き上げました。何故、そんなに短期間で書き上げられるには理由があります。毎年、多くの人が上越においでになり、2泊3日、みっちりと私と議論します。そこで議論されることは見事にパターン化しています。そのため、質問されると定番の説明を喋り始めます。その質問と説明のペアが私の頭の中にはストックされています。それを打ち込むだけなので6日間で書き上げられることが出来ます。
2泊3日、上越に来て私と議論するには時間とお金がかかります。それを二千円以下で疑似体験できるのです。
理由の二番目は本書がシリーズ化するからです。「言葉がけ」、「見取り」、「課題づくり」、「学力向上」という定番の入門者の疑問に対して、10月以降、順次発刊予定です。
不思議なもので、同じ説明を言っているつもりなのですが、どんな事例を挙げるか、どんな順序で説明するかで腑に落ち方が違います。明治図書さんのご英断で、私にそれだけの説明の機会を与えていただきました。9月26日に発刊される本も、それ以降の本も、単独で読めるようになっています。しかし、それらを読めば、同じことを色々な説明で「聞ける」ので分かりやすいのです。そして、何度も繰り返し聞くことによって、多様な事例で聞くことによって、その奥の理論が見えやすくなります。
なお、10月以降に発刊する「言葉がけ」、「見取り」、「課題づくり」、「学力向上」では、『学び合い』を前面に出しません。あくまでも従来型授業の「言葉がけ」、「見取り」、「課題づくり」、「学力向上」のテクニックを紹介しています。
『学び合い』は授業の大部分の時間、立ち歩きや相談をOKにしているので、その表面的な部分のみが批判の対象となっています。しかし、その見た目の裏にある一つ一つのテクニックは、バリバリの従来型の先生方も納得するものです。だから、9月26日に発刊する本も含めて、「とりあえずは『学び合い』はやるつもりは無いが、今、話題の『学び合い』って何?」と思っている方にベストの本だと思います。何しろ、全編、『学び合い』を全く知らない人と、『学び合い』を実践している人との架空の会話で書かれている本ですから。
最後にもう少し宣伝。本書は6日間で書きましたが、推敲には数ヶ月かけています。多くの仲間に読んでもらいました。そのある方の感想の一部を以下に書きます。
「モーゼが歩くと海がひらける絵をイメージする一冊だと感じています。これは『学び合い』に関係なく集団教育の名著ですね。」、「第一印象はこれまでで最高に読みやすく、かつ『学び合い』の神髄が分かる本だと思います。失礼を承知で言えば最高に分かりやすいと思いました。単なるノウハウ本ではなく、『学び合い』が生まれた背景、そして願い、進もうとしている方向がはっきりと分かります。」
お近くの書店で予約して、いち早く、お手にとっていただければと思います。