■ [親ばか]男
先ほど、「男」とはという議論を息子と45分ぐらいしました。
フェミニズムの方からはおしかりを覚悟です。あくまでも息子と私との会話です。私の言ったことは、「力が強いとか、背が高いというのは男の特性ではない。家を守るのが男。家のことをゴチャゴチャ言うのは男ではない。それは家を守る人の仕事。で、家の外のことをゴチャゴチャ言うのも男ではなく。それを家の人に感じさせないのが男」と言いました。
息子が自分に置き換えるにはどうしたら良いかを聞かれたので、「おまえの点数を20点上げてくれとは言わないだろう。それは家の外だから。その代わり、家族でケンカしたら「ごめんなさい」と言いやすいだろう。それは家の中だから。だから、おまえにとってテストの点数でごちゃごちゃ言わず、結果を出すのが男の姿」と言いました。
テスト云々は私の父からは言われませんでした。しかし、ゴチャゴチャと外のことを家族に言ったり、家のことを家族に言うのは男らしくないということは言われました。それは私の美学の基本の一つになっています。
■ [お誘い]1月発刊
新年1月に発刊する本を紹介します。
『学び合い』で「気になる子」のいるクラスがうまくいく(学陽書房)
久しぶりの『学び合い』の特別支援本です。間波愛子(子どもの個人情報保護のための仮名)さんとの共編著です。この本は私としては超難産でした。しかし、時間をかけただけのことはあります。この本の「売り」は実践者の実践記録です。涙無くしては読めないと思います。ちなみに私が書いた部分の中で一番気に入っているのは「あとがき」です。編集者と間波さんも泣いてくれました。実は、私は泣きながら書いた文章です。子どもたちのために描く私の映像です。
もちろん特別支援学級はもちろん、「気になる子」がいる通常学級における『学び合い』のノウハウが満載です。
『子どもたちのことが奥の奥までわかる見取り入門』(明治図書)
学校レベルで『学び合い』に取り組んでいる学校に行くと、1時間で三十クラスぐらいの教室を回り、各先生方がどこに躓いているかを診断することが出来ます。
体育館で数百人が合同『学び合い』をしているとき、だれがキーパーソンであり、どんなタイプの子どもであるかを見つけられます。
全国の『学び合い』の実践者よりDVDが送られてきて、相談を受けます。その映像を5分程度でどこに躓いているかを診断することが出来ます。
というと凄い能力があると言っているように思うでしょうね。でも、一人一人の見取りに関しては現場経験のある教師に比べると幼稚園児並みなのです。ただし、集団をコントロールするにはその種の見取りはあまり重要ではありません。むしろ、小中学校の経験は無く、教材の知識が殆ど無い私でも見とれるポイントの方が集団をコントロールするには大事なのです。そして、このノウハウは『学び合い』だけではなく、一斉指導でも大事ですし、部活指導や特別活動では必須だと思います。分かってしまえば、小学生でも見とれます。
ちなみに教員の研修会で神のように思われる教師の見取り方は、ここで書いたことが出来る人なのです。
学部生が授業を見ると、たった一人の子どもを丹念に見ます。それよりも力量のある教師は班の中の子どもたちを見ることが出来ます。しかし、郡市で数人ぐらいの教師だけが、教室の最も離れた子どもたちの時間を超えた関係を見取り、多くの教師には意味不明な現象を読み解くことが出来ます。ポイントは集団をどう見るかです。もっと詳しく言えば、集団のポイントとなる子どもは誰かを見取るるポイントを理解し、それらの情報を積み上げる能力なのです。
対話形式本の第三弾です。私と話している感覚で上記を学べます。
なお、以下は2月に出る本ですが、2月1日発刊予定ですので、ここに書きます。
『新任1年目を生き抜く教師のサバイバル術教えます』(学陽書房)
教師人生で一番大変な1年は、絶対に新任1年目だと思います。私は大学院を修了して最初に勤めた学校が暴走族だらけの学校で、私の担当は物理なのです。そんな極限状態を生き残ったノウハウがあります。私のゼミ生には色々なことを口伝で教えています。ゼミ生にはスーパーマンになることを期待していません。無理ですから。結局、上手い手の抜き方、他人の頼り方がポイントです。章立ては「教師という職業はとてもよい仕事です」、「最初の1ヶ月でやるべきこと」、「2週間でできる短期授業力向上法」、「最初の3ヶ月でやるべきこと」、「最初の1年でやるべきこと」、「2年目以降でやるべきこと」、「過労死ぜず、教師として幸せな人生を生きるため」です。
ゼミ生には話していることなのですが、全部を聞いた学生はいないと思います。ゼミ生に語るつもりで書きました。今までゼミ以外では語らなかったことです。もちろん、経験2年以上たった方も、有用ですよ。だって、この手のことは誰からも教えてもらっていないと思います。昔は先輩から教えてもらっていたことが絶えてしまいましたから。
ね、おもしろそうでしょ。
学陽書房の本はアマゾンでも注文可能です。しかし、アマゾンは発刊当初は注文が殺到し、届くまでに時間がかかる可能性があります。お近くの大型店に注文するのが一番早く手に入れられる方法です。
■ [大事なこと]逆風と順風
制度が変わるとき、その影響を受けて一気に有利になる人と、一気に不利になる人がいます。多くの人は、風のまにまに翻弄されます。しかし、情報を得ている人は、上手く立ち回れることができます。
現文部科学大臣および文科省は本格的に教員養成系大学・学部を変えようとしています。これは戦後初めてと言えるでしょう。そして本格的に変えようとするとき、予算と人事に手を入れます。それも、さりげなく、です。
昨年に多くの大学がミッションの再定義を文科省から求められました。そのなかに実務経験のある教員の割合の目標値を設定することを求められたのです。多くの大学は半分程度を目標値としています。が、これって凄いことです。
実務経験とはおおむね1年以上の小中高での常勤経験を指しています。今、多くの大学は逃げ道を探しています。しかし、それを求める方針は堅持されると思います。で、現在の研究者養成のシステムの中で小中高での常勤経験を持つことは例外的な人です。ところが次の評価までに目標値を達成しなければならないのです。つまり、常勤経験のある人は喜ばれ、それがないスタンダードの研究者養成で育った人は苦労するということです。
ま、上記のことは「だと思う」のレベルです。というのは実務経験をどれだけ厳しく見るかがハッキリと見えないのです。が、いずれにせよ、今、大学学部を卒業してそのまま研究者養成の修士・博士の課程に入る人は、もしかするともの凄いとばっちりを受ける可能性があります。
一方、現場経験がある人は有利になります。ただし、大学に就職するには最低限、修士の学位があることは求められます。そして、学術論文の業績があることが必須です。もちろん、現場たたき上げで学術論文の業績がない人もいます。ただし、そのような人は退職後のショートリリーフの人が大部分です。そして、そうでない人は、大学の世界の中でもの凄く苦労します。わかりやすく説明すれば、修士は二種の教員免許状、博士は一種の教員免許状だと思ってください。学位がない人は戦前の代用教員のような立場です。それも、戦前の代用教員は組織的な現職教育によって教員免許状を与えられましたが、そのようなシステムがないんです。学位がなければ、大学の外でどんなに発言力があっても、学内では苦労が多いと思います。
そして学位があったとしても学術論文の業績がなければ、無能という烙印を押されます。基本的に大学教員は学術の業績でのみ評価されますから。それを乗り越えるとしたら、単著が10冊以上あり、講演会では単独で200人以上を集められるレベルです。そうでなければ、学術論文の併せ技が必要です。