■ [大事なこと]グローバル

今後の日本を考えるとき、「メンバーシップ型/ジョブ型」と「ローカル/グローバル」がキーワードだと思います。今回は後者を書きます。
仕事に関して、不特定多数の地理的にも広い範囲の顧客を相手にする人がグローバルです。逆に地理的にも狭い範囲の特定の顧客を相手にする人がローカルです。グローバルとローカルの論理は全く違います。が、私にはもう一つの分類が必要だと思っています。地理的に広い特定の顧客を相手にする人です。まあグロ-カルとでも命名しましょう。理論的には地理的には狭い範囲の不特定の顧客を相手にする人もあり得ますが、地理的に狭いとことは顧客のニーズを特定しますので、まああり得ません。
私の仕事は3種類です。
本を書く仕事、講演する仕事はグローバルですね。この顧客の中には『学び合い』を求めている人も含まれていますが、それ以外の人も多い。悉皆研修の場合は、そのような人が多いです。本もそうですね。だから、本で書いていることと、上越に来られてくる方への話しは違います。
ローカルは大学での仕事です。
もう一つは、グローカルな仕事です。これは日本全国の『学び合い』の同志と一緒にやる仕事です。例えば一緒に本を書くとか、『学び合い』の会を企画するなどがこれにあたります。
我々の仕事の圧倒的大部分を占めているのはローカルな仕事です。9割以上の教員の人はローカルな仕事が100%を占めていると言っていいでしょう。でも、同志の方々にはグローカルな仕事、グローバルな仕事もして欲しいと思います。
さて、私の経験上、ローカルな仕事ばかりしている人がグローカルな仕事をする際につまずくのはおおよそ二つです。
第一に連絡が取れない。ローカルな仕事の場合は直接に顔を合わせます。だから連絡方法を意識しなくていいのです。しかし、グローカルな仕事の場合は直接会いません。だから、電子メール等の連絡方法を使います。ところが、それをあまり使わないので、見ません。だから繋がらない。これを改善するには、電子メール等が来たら携帯電話に転送する設定をすればいいのです。
第二に期限を守らない。ローカルな仕事の場合は直接に顔を合わせます。だから、意識しなくても「あ、やらねば」と思うのです。ところが、グローカルな仕事の場合は直接会いません。だから「あ、やらねば」という外圧がかからないのです。そして悪気なく、期限を守らない。グローカルな仕事で一人の人が期限を守らないと、守っている人全員に迷惑がかかるのです。それが分からない。ま、コンパの幹事をやったことのない人が、悪気なく幹事の気持ちを逆なでする言葉を言うのと同じです。これを改善するには、期限を守らないことが社会人として「大罪」であることを恐れることです。そして、グーグルカレンダー等で期限を忘れないようにすることです。そして、質は低くても期限を守ることの方が、期限を守らないことより遙かにましであることを理解することです。
なお、グローカルな仕事が出来ない人は絶対にグローバルな仕事は出来ません。何故ならば、グローカルな仕事で繋がる顧客は強いつながりを持っています。だから、ある程度は許し合えます。しかし、グローバルな仕事ではそのような甘えはありえないからです。
■ [お誘い]願い

我がゼミ生が某所・某日、『学び合い』の飛び込み授業をしました。学卒院生です。そしてゼミに所属して実質2ヶ月。でも、大成功しました。『学び合い』はもの凄くシンプルです。一番大事なのは「願い」。目の前にいる子どもたちの一生涯の幸せを実現したいという願いです。その願いが本物であれば、クラスの2割の子どもには伝わります。その子達が動けば学習は成立する。
このことは上記で証明されました。
私にとって学卒院生が飛び込み授業で成功することは100%確信していました。私は「やりたい」と思う学生と、「やらせてあげよう」と思う担任がいることが驚きであり、嬉しいのです。
バンジージャンプにテクニックも習熟も不要です。一歩踏み出すことが一番難しい。
■ [お誘い]アクティブ・ラーニング本

8月5日発売予定で「すぐわかる!できる!アクティブ・ラーニング」(学陽書房)が発売されます。http://u111u.info/msdX
明治図書からの「アクティブ・ラーニング入門」はアクティブ・ラーニングが今の実践の延長上ではないことを、公文書をもとに明らかにする本です。これによって、今後の文科省の施策の方向性を明らかにしています。この本を自校の管理職に渡せば、『学び合い』は異端ではなく今後の教育の姿であるということを示します。そして今後どのように動けばいいのかが分かります。
それに対して「すぐわかる!できる!アクティブ・ラーニング」(学陽書房)は実践本です。特に、中学校・高校の先生方に読みやすくしました。
小学校の先生の文化と、中学校・高校の先生方の文化は違います。特に高校の先生方は本屋の「教育」のところには行きません。また手にとって読むと違和感を持ちます。本書では部活と対比しながら『学び合い』によるアクティブ・ラーニングを手ほどきしています。お知り合い、大学の同級生に高校の先生方がおられましたら、ご紹介下さい。
ちなみに8月1日の『学び合い』フォーラムでは発売の予定です。フォーラムに参加されない方は、お近くの書店でご注文下さい。今までのアクティブ・ラーニング本とは決定的に違います。