■ [大事なこと]見識
教員養成系大学・学部が風当たりが強かったときはかつてもあります。その際、上越教育大学は0免で乗り切ることをしなかった。その代わりに「臨床」というキーワードで改革し、乗り切った。
■ [大事なこと]ギャップ
私の時代には名門と思われていた大学に簡単に入れるようになっています。今後は学問不問の試験で学生をかき集めるようになると、そんな大学に分数が出来ない生徒が入学するようになるでしょう。
その大学に入学した生徒、その生徒を入学させた保護者は、私と同じように、その大学に「名門」のイメージを持っています。だから就職は安泰だと思います。ところが状況は違います。
今から三十年前にはアメリカには大卒のタクシー運転手がかなりいました。日本がそうなりつつあるのです。タクシー運転手は立派な職業です。しかし、500万円のお金を費やし、学術を学ぶ意味があるとは、卒業後のタクシー運転手は思っていないでしょうね。
このギャップを早く埋めねば。
■ [大事なこと]2種類
文系改廃でゴタゴタしていますが、話が組み合わないのは当然です。実は、文科省、また、経済産業界が必要としている人材は2種類であることを意図的に出していません。一つはエリート、もうひとつはその他です。
エリートには即戦力を求めていません。でも、その他は即戦力を求めています。だからエリートを養成している大学に即戦力は求めていません。一方、その他を養成している大学には即戦力を求めています。
ところが文系廃止に対して、文系廃止が求められていない大学が反対の論陣を張り、文科省と経済界は我々はそれを求めていないと説明する。誰も嘘を言っていない。だけど、本当のことを言っていない。
しかし、その一方、文系改廃は意図ではないと文科省が説明しているのに、多くの大学が文系改廃を進めています。何故かといえば、文科省の中の一室で、文科省からちゃんとした説明を学長団は受けているからです。硬軟取り混ぜて。学内改革を進めるためには学長団は、表だって「はい、わかりました」とは言えません。
マスコミは文系改廃は流しますが、その背景となる日本経済の変化との関連で説明するところはないですね。なんでなんだろう。意図的に分からないふりしているのでしょうか?
http://image.itmedia.co.jp/l/im/news/articles/1509/11/l_yx_keidanren.jpg
追伸 嫌なことですが、第三の道があります。それは即戦力「も」求められない人たちです。熟達を求められない派遣とアルバイトです。その様な人が増えないように、多くの人は即戦力の能力を獲得すべきです。