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2016-10-13

[]分かれ目 22:15 分かれ目 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 分かれ目 - 西川純のメモ 分かれ目 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 仮に徹底的に非『学び合い』の人と論理的に議論すると、両者の見解の相違は求めるものの違いと分かります。例えば。(前者が『学び合い』です)

 一人の子どもも見捨てない。それが不可能であっても、それを求めることを諦めない。/全ての子どもを救うことは無理。それを諦めないのは非生産的。

 学習が成立するならば学び方は多様でいい。/静かに黙って人の話を聞くことを学ぶことが学習。

 子どもたち全員が最低限の学力保証をする。/教科の深いとことを学ぶことが授業。仮にそれが全ての子どもでも無くても。

 私は全ての子どものニーズに応えられない。それは無理。/私は全ての子どものニーズに応えられる。そうするのが教師。

 等々

 これは善悪、正否の問題ではなく、判断の問題なのです。ただ、それを決定するのは教師だけではなく、社会の問題だということが分かって欲しいと思います。それも数十年先の社会の問題なのです。

 本当は、突き詰めて、どこに見解の相違があるかを理解すればいいのに、と思うのですが、そのだいぶ前に感情論に陥ってしまう。だから分からない人とは議論しない人がいいですよ。

[]英語教育 19:52 英語教育 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 英語教育 - 西川純のメモ 英語教育 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 本日、大修館が発行する「英語教育」11月号が郵送されました。私が何かを書いたわけでないので「?」と思いましたが、93ページに「すぐ実践できる!アクティブ・ラーニング中学校英語」の書評が載っていました。短い文章ですが、我々の意図を的確にまとめられていていました。ありがたいことです。興味のある方は11月号をご覧ください。

 中学校、高校で『学び合い』を取り組むとき、拒否感を示す2大教科は国語と英語です。(ま、他の教科もそうですが)その英語でこのように取り上げていただけることに、なおさら嬉しく思います。でも、当然とも言えます。

 英語は一番風当たりの強い教科です。4技能を強く求められています。当然かもしれませんが、教員養成の仕組みはそうなっていません。4技能全てに長けた教師ばかりではないのは、本人の責任というより教員養成システムの問題です。ところが、そのところは変えずに、4技能を指導せよと言われているのです。

 さらに、4技能の指導は現状の学校では難しいと判断され、大学入試において英検等の外部資格でOKとなります。私の本(明治図書の「アクティブ・ラーニング入門」と学陽書房の「2020年激変する大学入試」)でも書いたとおり、これは今後広がると思います。マンパワーのない中小の大学では外部資格を利用した方が安上がりですから。今後、高校入試にも波及するでしょう。そうなれば、学校の英語はそこそこにして外部資格にエネルギーを費やすようになります。これは学校英語教育の危機です。つまり、アクティブ・ラーニングのあらを探す閑は無いのです。

 しかし、これは英語のみではありません。次の次あたりになれば、他教科も同じようなことが求められるでしょう。例えば、仕事の稟議書を書けるような子ども、膨大な資料を読み込んで報告書にまとめる子どもを育てられる国語が求められるでしょう。ディベートは正課に取り入れられるでしょう。数学だって同じです。解析学や線形代数を分かるための数学ではなく、ノンパラメトリック統計学の比重が多くなるでしょう。そして、数学で表して終わりではなく、それを使いこなすレトリックが求められるでしょう。

 が、教員養成のシステムはそうなっていない。つまり、教師は教えられないのです。だから、子どもに教えるのではなく、子どもが学び取る集団を創れる教師が求められます。今の三十歳代、二十歳代はそういう時代を生きます。四十歳代だって、管理的な立場でそれをリードしなければならない。

 ドラッカーは未来を予測する方法として、既に起こったことから類推すると言っています。それは未来を予測する人の多くが書いていることです。英語で起こったこと、それは今後の流れです。そして、その頃には英語教育はもっと先に進むことが求められるでしょう。

[]次の一歩 12:49 次の一歩 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 次の一歩 - 西川純のメモ 次の一歩 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 『学び合い』のテクニック本をお読みになった方へ

 『学び合い』はテクニック本の通りにやれば成功します。ただし「その通りやれば」です。ところが、自分の一人判断で「やること」と書いてあることをやらず、「やらないで」と書いてあることをやってしまう人がいます。というか、半数近くの人は、そうです。代表的なものは20分間今のままの授業をやって、残りの時間に『学び合い』をやるという人です。徐々にならしていきたいという気持ちは分かります。しかし、この方法は、もともと名人級の授業能力がある人だけが成功する方法です。

 人は常識に囚われている。

 私の本に書いてあるテクニックは、ちゃんとした学術的、実践的なデータによって構築されているものです。でも、テクニック本にはそれを割愛しています。100以上の学会誌論文を読めば基礎が分かりますが、現場の教師にはハードルが高いでしょう。

 そこで3冊の本を用意しました。これらの本を読めば、色々なテクニック本で書いてあることが結びつきます。そのために書いた本です。お勧めです。

汎用的能力をつけるアクティブ・ラーニング入門(http://www.amazon.co.jp/dp/4182612256

学び合い』の手引き ルーツ&考え方編(http://www.amazon.co.jp/dp/4182547179

学び合い』の手引き アクティブな授業づくり改革編(http://www.amazon.co.jp/dp/4182577167

追伸 『学び合い』暦の長い方は色々な人から質問されることが多いと思います。それに対しての理論武装にも役立ちます。

[]無線LAN 05:32 無線LAN - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 無線LAN - 西川純のメモ 無線LAN - 西川純のメモ のブックマークコメント

 全国の学校に無線LANを整備するそうです(https://www.kyobun.co.jp/news/20160510_04/)。しかし、小役人は無意味なものにするでしょう。つまり、インターネットと繋がらないLAN、子ども同士が繋がらないLANにします。子どもためと言いながら、その実、我が身を守るために。