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2016-10-14

[]自力解決 08:42 自力解決 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 自力解決 - 西川純のメモ 自力解決 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 『学び合い』では自力解決する力が伸びない、と言われる方がいます。私から言えば、今の授業では自力解決する力が伸びない、と言いたいです。

 自力解決するか、しないか、その最大のポイントは、本人が自力解決したいと思うか否かなのです。ところが、他者との接触を禁止することによって自力解決すると思っている方がいる。でも、その問題がまったく分からない子は、問題を見たとたんに諦めます。そして、教師が板書することを丸写しします。

 『学び合い』だったら、自力解決の重要性を子どもに語ればいい。丸写ししようとする子どもは自力解決するということの意味が分からないかもしれません。しかし、写させる子どもは分かっています。だから安易に丸写しをさせません。相手に合わせたレベルで自力解決させます。そこまで至るまでアドバイスをします。こんなことを一人の教師が三十人の子ども相手に出来るわけありません。

 こんな単純な論理、私には当たり前すぎるほど当たり前です。自力解決、云々を言われる方と議論したいのですが、おそらく感情論になるでしょう。何故なら、その方は変わりたくない自分を合理化したいのですから。

[]成績 07:21 成績 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 成績 - 西川純のメモ 成績 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 ある方のブログに「油断、慢心大敵ですが、今まで『学び合い』!?教えないで子どもたちに教え合わせる!?そんなんで学力(テストの得点)が上がるの!?と完全に疑っていましたが、今は逆に、これでテストの点が上がらない理由があるのと言える状態になってきています。」とありました。

 「学力向上のテクニック入門(http://amzn.to/2dzTkV3)」に書きましたが、『学び合い』で成績が上がらない理由は3つだけです。第一に、『学び合い』をやっていない。代表的には時間の半分は今まで通りの授業、残りの半分は『学び合い』(?)という足して2で割る「な~んちゃって『学び合い』」をやっている場合です。見た目は『学び合い』もどきですが、『学び合い』とは無関係です。

 第二は、子どもたちに成績を上げろと求められない。実は心優しき教師はこの傾向があります。先に挙げた「学力向上のテクニック入門」を読まれていない方は多かれ少なかれその傾向があります。小学校の教師の場合、顕著です。成績は目的ではありません。子どもの幸せが目的です。しかし、子どもの幸せを計るすべはありません。それを計る最も確かな方法は成績なのです。それが分かれば、率直に、後ろめたさ無く求めることが出来ます。一つの目的に集団が向かうとき、本当の団結が生まれます。

 第三は、日々の課題とテストの問題が一致しないものです。代表的なものは、日々の課題は深い読みを与え、テストでは漢字の書き取り、基礎的文法が多くを占める場合です。これは評価とは何かと言うことが分かっていないために起こる問題です。

 以上3つを満たしていれば、必ず成績は上がります。それも、抜群に。

 ただし、以上3つを「やりつづける」ことは教師の心の問題です。何か問題があれば、自分の心に問えばいいのです。典型的なものは、放任になってしまうことです。『学び合い』が軌道に乗れば、ものすごく気が楽になります。子どもたちがどんどんやってくれます。ただし、それは教師が子どもを見続けているからです。もし、放任になれば子どもを見なくなる。そうなれば、集団をリードする子どもが教師と同じように手抜きをします。そして、集団が崩れます。だから、問題が起これば自分の心に問えばいいのです。