本日は新潟県総合教育センターでミドルリーダー講座の講師を担当しました。赤坂さんとの掛け合いでの講演です。彼のリードが上手かったので、非常にやりやすかった。
この講座で私の言いたかったことを短くまとめると、一人で抱え込まないこと。
ポイントは分かってもらえない人をいじくらない。一方、必ず、分かってくれる人は必ずいます。その人を見いだし、その人とやることです。そうすれば楽になります。愚痴を言えるので気が楽になれます。だから、続けられます。
■ [大事なこと]ギャンブルと投資

ギャンブルと投資はどこが違うのでしょう、それはリスクだと思います。100%安全と100%危険のどの位置にあるかで決まります。投資をする人は、自分は有利な投資をしていると思っています。が、それ対する研究もせずお金をかければ多くの場合はギャンブルになります。だって、そんな人を合法的に食い物にするのが安全な投資で、背広を着た一流金融関係でやっていることですから。
もし、ある人が週刊誌で「A社の株が儲かる」というニュースを読んで借金して株を買ったとします。結果として大損しました。それに対して、「国は株式投資に対して無償の給付を行うべきだ」と言ったら、どう思いますか?「バカ言うな」と思いませんか?
いや、「国民が株投資に必要な資金を無償で給付します。ただし、儲かった場合は返済してもらいます。」と国が言ったらどう思いますか?「俺の税金が、そんなものに使われるのか?」と憤りませんか?
「高等教育の負担軽減 給付型奨学金を拡充」https://www.nikkei.com/article/DGKKZO21245350Y7A910C1M11100/
日本自体が高度成長をしている時代だったら、大企業の株を買えば中長期では安全な投資となり得たかもしれません。でも、今は東芝もソニーも万全でない時代です。
株に投資するにはどうすべきか、を考える前に、そもそも株に投資するべきなのかを考えるべきです。そして、投資するとしたら株以外のどんなものに投資すべきなのかを考えるべきです。
大学もそうです。大卒は豊かな生活を必ず保証するわけではありません。だって、豊かな会社が少なくなっているのですから。
18歳人口が減少する今後、潰れる大学が出てくるでしょう。これを避けるためには、進学率を上げるしかありません。でも、今でさえ半数が4年制大学に進学しています。それ以上の人が最高学府まで学び、働く必要があるでしょうか?
世界には日本以上の大学進学率の国はあります。また日本より国力が小さいのに、日本に準じた進学率の国もあります。が、根本的な違いがあります。
第一に、その国の大学は大学と名を売っても専門学校のような超ジョブ型大学なのです。
第二に、高校卒業して直ぐに大学に進学するのではなく、いったん働いてから入学するというパターンが一般的です。つまり、親のすねをかじって学ぶわけではありません。それ故、第一の違いが生じるのです。
専門職大学の創設はその方向だと思います。しかし、その制度に乗ろうとする現4年制大学は無いでしょう。格下になると思っているからです。乗るとしたら現在の専門学校でしょう。となると、現4年制大学のパイはいっそう削られる。
大学人の端くれとして、アカデミズムの大学の未来を憂います。アカデミズムが実務に役に立つと実務の人を説得できる言葉が必要です。そうでないと、自らの大学が潰れたり、学生にギャンブルをさせたりすることになる。
このシフトが速やかに進むためには保護者と教師が、現状の学歴の価値を知らなければなりません。そのために、「学歴の経済学」(学陽書房)を書きました。