■ [大事なこと]提案

7月に校外学習の後に小学校1年生が亡くなる事件がありました。日本の猛暑日は増えています。これは子どもの生死の問題です。文部科学省の統計によれば、保健体育の教師ではなく、かつ、現在担当している部活動の競技経験がない人が部活の顧問になっているケースは、中学校で45.9%、高校で40.9%です。つまり素人が危険性の高い運動部の顧問を担当しているのです。
環境省熱中症予防情報サイトの「運動に関する指針」によれば、気温が31度から35度は厳重警戒で熱中症の危険性が高いので、激しい運動や持久走など体温が上昇しやすい運動は避けることを求めています。(なお、35度以上で運動は原則中止となっています。)運動部は体温が上昇します。従って、気象庁の最高温度予測が31度以上である場合、夏休み中の日中の部活動を禁止することを校長判断で徹底してはいかがでしょうか?そうなると、夏休みの練習が全く出来ない地域は少なくないと思います。そもそも甲子園野球を存続させるべきなのかを問うべきなのかもしれません。当然、反対する子どもや保護者もいるでしょう。しかし、生死の問題ではないでしょうか?昔の日本の平均気温とは異なっていることを理解すべきです。
小学校への連絡会で中学校の先生は、保健体育の教師ではなく、かつ、現在担当している部活動の競技経験がない人が部活の顧問になっている部活は何部であることをつたえてはいかがでしょうか?そして、三年後をめどに、死亡・重度の障害事故の頻度が高い運動部の場合は、保健体育の教師か部活動の競技経験のある教師を確保できない場合、廃部にすることを伝えるのです。具体的には死亡・重度の障害事故が20万人あたり一人以上の部活である自転車、ボクシング、ラグビー、柔道、器械体操等、水泳、ハンドボール、剣道、野球、サッカー、陸業競技、バスケットボールです(学校における体育活動中の事故防止について(報告)体育活動中の事故防止に関する調査研究協力者会議 平成24年7月)。つまり、今の学校のマンパワーでは、子どもの命を守ることは出来ないことを率直に子どもと保護者に語るべきです。専門家でない教師が部活担当をしないことは働き方改革であると同時に、子どもの命を守ることなのです。
当然、反対する保護者や子どもはいるでしょう。しかし、我が身、我が子の命を心配する保護者や子どもはいます。その時、子どもの命のため毅然するべきだと思います。
ある学校で専門家を揃えられなくとも、広域ならば確保できるでしょう。従って、複数の学校が合同する部活である、合同部活動を提案することも出来ます。(ただし、送り迎えは保護者であることも伝えましょう)しかし、社会体育への移行が最も自然です。その意識改革を子どもの生死の次元で話し合う時期が来ていると思います。痛ましい事故を知る保護者は理解してくれると思います。